ZOMAHOUN Idossou Rufin (ゾマホン)
1964年(昭和39年)西アフリカのベナン(ベネン)共和国に生まれ。小学校時代は学費を稼ぎながら学校に通い、15歳の時に父親を亡くす。そのため学用品を購入するのも大変であったが、街灯や月明かりの下で勉強をし、ベナンに唯一あった国立大学に見事合格。大学に入学後は、難関の国家試験をパスし、中国の国費留学生として選ばれ、1987年に中国へ。中国では「孔子」や「孫文」などの思想を研究テーマとし、大学で四年間学んだ後、さらにその上の修士課程を修了。また、中華人民共和国で知り合った日本人の友人のつてを頼り、1994年来日。来日当初は自費留学生だったため、生活費と学費を工面するのは大変だった。日本語の勉強もあるため、睡眠時間は通常でも一日3~4時間、少ない時は1~2時間という生活を送っていた。そして睡眠不足からアルバイト先で左手人差し指を切断する大怪我を負ったり、まともな食事をしていなかったため、胃潰瘍になり入院もした。そんな中、1996年上智大学大学院研究生として入学。
来日してから、地下資源の乏しい日本が先進国になってきたのは「教育(人的教育)」を大切にしてきたことだと気づき、上智大学大学院博士課程前期では「ベナンにおける初等教育普及問題点」を研究テーマとし、日本・中国・ベナン共和国の初等教育制度を比較した。大学在学中も生活は依然厳しいものだったが、1998年に高円寺のラーメン屋でスカウトされ、TBS系列「ここがヘンだよ日本人」という番組に出演する。そこで同番組の司会を務める北野武氏と出会う。
その番組の企画で、『ゾマホンのほん』(1999年)、『ゾマホン、大いに泣く』(2000年)(どちらも河出書房新社)の2冊を出版することになり、いずれもベストセラーになる。その2冊の出版で得た印税(約3,000万円)のうち、日本で税金を払った以外のすべては迷わず母国の小学校建設のためにあてた。
印税で建てた小学校は以下の通り。
- 2000年4月
- ベナン共和国ボルグ県コロボロル村に「たけし小学校」
- 2001年4月
- 同国アタコラ県チチャク村に「江戸小学校」
- 同国ボルグ県キカ村に「明治小学校」
なお、「たけし小学校」という名前は、番組の司会を務める北野武氏への感謝の気持ちを表すために命名。「江戸小学校」「明治小学校」は子供たちに日本に興味をもってもらうために命名した。また、2008年~09年にかけては、多くの日本人の協力もあり、以下の小学校を開校した。
- 2008年11月
- あいのり学校
- 井上小学校
- 2009年3月
- 所ジョージ小学校
2001年、国連JCI(国際青年会議所)より「世界最優秀青年賞」受賞。2002年にはベナン共和国において国民栄誉賞受賞。これをきっかけに2002年3月15日、ベナン共和国でIFE財団(イフェざいだん)を設立。そして2004年6月19日、日本で「NPO法人IFE」を設立した。なお、「IFE=イフェ」はベナンの言葉で「愛・分かち合う」という意味である。タレント、ベナン共和国大統領特別顧問を経て、2012年駐日ベナン共和国全権大使着任。
その他くわしい経歴は、オフィシャルサイト「ゾマホン・ドットコム」をごらんください。