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NPO法人IFE

Report from BENIN

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No. 015
アルバイトという概念

日本語の授業で「アルバイト」という言葉が出てきた。

日本で日本語を勉強している外国人であれば、日本国中「アルバイト」は溢れているから、その言葉を教えるのも簡単なのだろうが、ベナンではこれがなかなか難しい。

「アルバイト」という言葉を日本語だけで説明するために、日本語の生徒の中にいる大学生をつかまえて、学校の授業の後に何か仕事をしていないか、と聞いてみても、誰も居ないのだ。

ベナンは元々仕事の少ない国であるから、大学を出た新卒社会人であっても、半分くらいにしか仕事がないとの話である。大学生になど仕事は回ってこないのである。

そんな国情であるから、「アルバイト」の概念そのものがない。

「パートタイム・ジョブ」という言い方もあるにはあるが、それよりも「時々ある仕事」という概念の方がベナンでは実際的なものであるらしく、「時々ある仕事」でも「れっきとした仕事」なのである。「アルバイト」という言葉のもつ「軽さ」はない。

言葉ひとつを取っても、お国の事情によってはその意味するところすらわからないという一例である。

それじゃあ、ベナンの大学生はどうやって教育費を手に入れるのか。
「ゾマホンの本」に書いてあった例のように、いろんな人たち、親戚などに援助してもらうしか手がないそうだ。

フリーター天国の日本では想像もできない世界であろう。

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