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NPO法人IFE

 たけし日本語学校

アフリカにおける日本語教育の役割

西アフリカ・ベナン共和国からの報告

現在のアフリカ大陸における日本語教育の現状は2003年度の国際交流基金の国別日本語教育機関数・教師数・学習者数の統計によると、アフリカのサハラ以南の地域の中で機関数が一番多いのはマダガスカルの10、ついでケニアの9。学習者数もマダガスカルは542名、ケニアでは440名となっています。ただ、アフリカにおける日本語教育の情報は大変少ないというのが現状です。今回はその中で、ベナンにおける日本語教育の現状と日本語教育がもたらす効果を発表いたします。

まずベナン共和国については、人口約700万人、面積115,000km²(日本の約3分の1)、就学率68.37%、公用語/フランス語、母語/フォン語、ヨルバ語、バリバ語など約26の言語があります。 なお、ベナン共和国の第二外国語は英語です。日本との交流に関しては、JICAプログラムがすでに始まっています(港湾事業と小学校建設)。それ以外の留学生、技術研修生制度はありません。

次に日本語教育を主催しているIFE財団の目的は以下の通りです。

  • ベナンの識字率向上
  • 日本との架け橋
  • 日本の文化をアフリカや世界に伝えること
  • 日本の援助をベナンの国民に知ってもらう事
  • テロや貧困との戦い、人権の尊重、民主化の促進
  • 健康や医療に関する教育
  • 日本とアフリカとの交流

そして2003年9月からIFE財団(代表ゾマホン・ルフィン)がベナン共和国、コトヌー市に「たけし日本語学校」を開設し、そこで日本人の日本語教師による日本語教育が開始されました。国際交流基金の統計では学習者数が80名、教師が1名という状況です。クラスは1クラス15名で、現在、週に2回、1回の授業が1時間30分です。学習者の年齢、職業、学習目的は下記の通りです。年齢層は19~54歳。一番割合が多いのは24~29歳で全体の30%。職業では大学生が44%を占めています。また社会人の職業別では教師、貿易商がともに13%と多く、ついで電気、機械関係の技術者が11%、外務省、教育省の国家公務員が9%となっています。その他は運転手、コック、農業などです。学習動機は「日本の文化に関する知識を得るため」というのが28%と一番多く、ついで「日本に留学するため」というのが27%、「日本の科学技術の知識を得るため」というのが19%を占めます。

なお現地の日本語教育の現場には、日本の政治家や外務省の官僚が訪問し、またベナンの教育大臣も訪問しました。その結果、2005年度からベナンでは初めて国費留学生制度が適応されることになりました。また私費の留学制度も可能になり、「たけし日本語学校」から2004年の10月末から2名のベナン人が日本の短期大学に留学し、2005年度は1名の女子学生が来日しました。

ベナン共和国での日本語教育の実施は国費留学生の導入など日本とベナンの外交政策の一つとして大きな役割を果たしています。フランスから独立44年目(2004年度現在)のベナン共和国は、本当の独立を目指し、いままでの旧宗主国との関係を改善して行く方向にあります。そのためにアジア、特に日本との交流は必要です。ベナン共和国では日本との交流を推進するために現地で日本語教育を実施し、日本への理解を深めていく方向に進んでいます。また将来的には日本語が話せるアフリカの人々が日本に留学でき、母国発展の為に必要な知識を自らの行動で習得することができるならば、途上国が援助に頼りきっている現状を打開できると考えられます。その為には日本国自体も、アフリカ諸国に対して正しい認識をし、多くのアフリカ諸国に日本への留学の門戸を開放することと、その為の現地での日本語教育を考えていく必要があると思います。なお国際交流基金の調査後のベナン共和国での日本語教育は2004年8月現在で、日本語教師が2名、学習者は80名、そして日本語学習希望者数は約600名にのぼります。また1週間に約20名程度の希望者が学校を訪れるような状況が現在も続き、その他ナイジェリアやトーゴなど西アフリカの近隣諸国からの学習希望者も訪れます。

ただ学校自体がIFE財団代表のゾマホン・ルフィンの自費が全体の8割ということから、全ての希望者が授業に参加できない状況です。今後は国費留学生の枠の拡大と技術研修生制度の導入を目指し、広く日本語を活用できる環境整備に取り組んで参ります。

西アフリカ・ベナン共和国公認 IFE財団

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