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NPO法人IFE

 たけし日本語学校

日本と中国の文化戦略

ジャパンハウス設立の目的に「アフリカにおける日本についての情報の発信の場」と書かせていただきました。今回特集では、ジャパンハウスの中国版(設立は中国文化センターが先ですが)、「中国文化センター」を紹介し、中国と日本を比較紹介したいと思います。

中国文化センター訪問レポート

中国文化センター1コトヌー市内、イミグレのオフィスの近くに、中国の文化センターがある。ここは大使館と違い、中国文化の情報発信の場であり、また、ベナンと中国との文化交流の場にもなっているようである。

2006年8月11日(金)、中国文化センター内を見学させてもらった。まず、入り口からいきなり中華風。神戸の中華街の入り口を思わせるような、派手で立派な門があった。「中国文化中心」と書かれている。ベナンではここと中華レストランくらいしか漢字が無いので、なぜか安堵感を抱いてしまう。

さて、中国文化センターの中には、図書館、屋外シアター、中国語や太極拳などを教える教室がある。図書館では、中国に関する様々な書籍や新聞が置かれ、誰でも読めるようになっている。内容に関してはかなり古いもの(90年代のもの)もあるが、中国語のみならずフランス語の書籍もあるため、ベナン人が中国の概要をつかむには、それほど不自由しないのではないだろうか。書籍の貸し出しを行っているかどうかは聞き忘れたが、館内では誰でも自由に閲覧できる。

中国文化センター2中国文化センター3

屋外野外シアターは、私が訪問したときは何も無かったが、映画の上映会や音楽の演奏(中国のものとベナンのもの)が、不定期ながら行われているという。映画の上映会については、入り口の案内板に掲示されている。

中国文化センター4このセンターでは、中国語や太極拳講座を有料で開いている。中国語講座は、中国人教師が、中国から持ってきた教科書を用いて行うもので、週に1回、入門レベルのみが行われている。ベナン人のみでなく、在ベナンの外国人も勉強することができるという。太極拳に関しても、中国語と似たような条件で教室を開いているようである。

応対してくれた中国人は非常に親切で、日本から来たことを告げると、より温かく迎えてくれ、館内の隅々まで案内してくれた。向こう側も、久々に見るアジア人に安心したのかもしれない。

中国文化センター5中国文化センター6

ちなみにこの中国文化センターは、中国政府が建設したもので、運営も中国政府によるものである。なぜこのような施設を、遠い西アフリカの国でつくるのか。国連で中国の立場を優位にしたいためだろうか。それとも、何か他に経済や資源の面での戦略があるのだろうか。どちらにしても、中国に興味のあるベナン人にとっては、中国関連本も自由に読め、お金があれば中国語や太極拳も勉強できる。また、不定期ながら中国映画も見ることができる。このような施設があることで、自然に中国に対して親近感を持たせる、何かしらベナンと中国は関係があるという効果を与えていることは言うまでもない。なるほど、このような外交戦略もあるのかと、思わず感心してしまった。

中国文化センター7中国文化センター8

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