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NPO法人IFE

日本語教師の窓

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お便り 67 - 2月後半

藤波先生 編

2010年2月16日(火)水が出ました

やっぱり水がある生活っていいですね。体も気持ちもさっぱりします。

というわけで、今日、ようやく水道から水が出ました。本当によかった。本当に月並みな感想ばかりで恐縮ですが、これからはもっと水を大切に使いたいと思います。そして、洗濯物は溜めずに、できる時にまめに洗うようにしたいと思います。

藤波

2010年2月17日(水)高倍率

コピー屋のお姉ちゃん私がひいきにしているコピー屋には、いつもアルバイトのお姉ちゃんがいます。お姉ちゃんというよりは女の子と言ったほうが正しいのかもしれません。17歳らしいので。てっきり私と同じくらいの年だと思っていましたが、なんと10歳も年下だということをこの間知りました。

その女の子は、いつも元気でかわいいんです。機嫌が悪い時は一言もしゃべらないという難点はありますが、そういう人はこの辺ではあまり珍しくもないので、そんなに問題じゃありません。17歳でかわいいとくれば、当然もてるわけです。コピー屋にいつも来るのは大体決まったメンバーです(もちろん私もその中に入っています)。そして、女の子を口説いているのも大体同じメンバーです(私は口説いていません)。その子を狙っている男は、私が知っているだけで4人はいます。4人のうち、見込みがありそうなのは、1人だけです。他の3人は、大体は冷たくあしらわれて帰って行きます。お気に召さない男が来ると、その子は一気に機嫌が悪くなって一言もしゃべらなくなり、その状態は男が退散してからも続きます。そういう時、私は気まずい雰囲気に耐えきれず、早く帰りたくて仕方がなくなります。

実はその4人の他にもう1人、女の子に会うために熱心にコピー屋に通っている人がいます。その人はゼミジャン(バイクタクシー)の運転手をしています。推定年齢35歳。女の子はその人のことが比較的気に入っている様子で、いつも楽しそうにおしゃべりをしています。でも明らかに恋愛対象ではありません。「友達として好き」というやつです。それくらいは見ていれば私でもわかります。それを知ってか知らずか、その人はおそらく毎日コピー屋に通っています。ちなみに何かをコピーしている所を見たことはありません。ただ立ち話をして帰って行くだけです。この人の恋の行方はどうなるのか。おそらく実ることはないと思いますが、何となくその人を応援してしまう自分がいます。

藤波

2010年2月20日(土)安くて危険なガソリンスタンド

コトヌーには2種類のガソリンスタンドがあります。ひとつは、国が定めた法律を守って営業しているガソリンスタンドです。日本にあるガソリンスタンドと全く同じものです。もうひとつのガソリンスタンドは、違法なガソリンスタンです。隣国のナイジェリアなどから密輸されてきたガソリンを、路上でビンやペットボトルに入れて売っているのです。違法なのは間違いないのですが、あまりに数が多くて堂々としているので、全く違法という感じがしません。政府も警察も取り締まったりはしないようです。

路上スタンド路上スタンドでは、バイクや車の給油口に"じょうご(ろうと)"を差し込み、ペットボトルやビンに入ったガソリンを流し込みます。合法スタンドと路上スタンドの一番大きな違いは値段です。詳細な値段の差はわかりませんが、路上スタンドのほうがかなり安いとのこと。ただし路上スタンドには問題もあります。正規のルートや方法で運ばれてきたガソリンではないので、水やゴミなどが多く混入しており、あまりそのガソリンを使い過ぎると間違いなく車やバイクが壊れてしまうらしいのです。

それからこれは私がいつも思うことなのですが、ガソリンを灼熱の太陽の下で、しかも歩道で売って、危険はないのでしょうか。路上スタンドの周りはガソリンのにおいで満ちています。もし誰かがたばこの吸い殻でも捨てたら引火すると思います。間違いなく。幸い、ベナン人で煙草を吸う人はまれなので、あまりその心配はないのかもしれませんが。でもそういう問題じゃない気もします。危ないです。どう考えても。しかし誰もそのことに言及しないので、私も何となく大丈夫なのかな、という気分になっています。

おそらく大丈夫なんでしょうね。だって、私はベナンに来て8ヶ月くらい経ちますが、その間一度も、路上スタンドの爆発に出くわしたことも、そんなニュースを聞いたこともありませんから。

藤波

2010年2月27日(土)ダサズメ

今日はゾマホンさんの親戚の葬儀に出席するため、コトヌーから車で3時間ほどの距離にあるダサズメに行ってきました。葬儀は教会で行われ、参列者はとても多かったです。ベナンでは、土葬が一般的です。棺を埋める場所は、墓地の場合もあれば、自宅の建物の下の場合もあります。ゾマホンさんのお母さんも、ダサズメにある自宅の下に眠っておられます。

今日は葬儀の後、そのまま墓地に移動して棺を埋めるところまで参加しました。

葬儀の後は何をするかというと、地域や家によっても違うようですが、ゾマホンさんの親戚関係の葬儀の後はとにかく踊ります。そこに行くと、当然「ヨボ(白人)も踊れ踊れ」と言われて、人垣の中心で踊ることになります。私と山下先生が躍ると、やはり下手らしく皆が笑って結構盛り上がります。ようは下手くそなのです。しかし私は最近、この踊りに関して、何となく何かをつかめそうな気がしています。何しろ毎日何かしらの形でベナンの踊りを目にしているので、イメージトレーニングはばっちりです。そのうち、なんとかびっくりさせてやりたいものです。

そんなことをしているうちに、夜になり、今日はダサズメのホテルに泊まることになりました。ダサズメにきた時はいつも泊まっているホテルで、シャワーもちゃんと出ます。もちろん水ですが。明日はベテクク村に行きます。

藤波

2010年2月28日(日)ベテクク

ベテクク村はダサズメから車で1時間程の場所にある小さな村です。村には、いのうえ小学校があります。今日は、1ヶ月ほど前にココさんやセポンさんと言ったIFEの農園に、ゾマホンさんとその親戚の方々と一緒に行ってきました。

前回と同じようなコースで、荒れた土地の多い農園を見て回りました。

帰りのバスの中で、ゾマホンさんは親戚の人たちに農園を見ての感想を聞いていました。いろいろな意見がありましたが、ベテククの農園を大きくして、将来ベテククブランドの農作物や乳製品をベテクク村の外に売りに出せるようにできたらいい、という意見が多かったように思います。今回ゾマホンさんがベテクク村に連れて行ったメンバーは、若い人が中心でした。おそらくゾマホンさんは、若い人に農園を見せたかったのだと思います。

たけし日本語学校もそうですが、やりたいことや、こうしたらいい、ということはいろいろあります。ただ、そういうことを言うのはとても簡単ですが、実際にやるのは大変です。結局はそこにいる人が、イメージを持って自分達で動かなければなりません。「そこにいる人」というのは、たけし日本語学校だったら私や山下先生や生徒の皆さんのことです。ベテククだったら、今回農園を見に行った若い人たちということになるのでしょうか。

とにかく、言うだけではなく、動かなければ何も始まらないのです。

藤波

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