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アフリカ関連書籍の紹介「新書アフリカ史」
アフリカ史、特にサブサハラアフリカ(サハラ以南アフリカ)について、今まで詳しく勉強したことがあるだろうか?高校の世界史の教科書を見てみても、サブサハラアフリカに関する記述が少ない。その数少ない記述についても、奴隷貿易以降のものが大半で、しかもそれらのほとんどは、ヨーロッパやアメリカからの視点で描かれているものである。そのため、奴隷貿易よりも前にあった諸王国や諸地域の様子、民族の関係などについては、ごくわずかにしか紹介されていない。
今回紹介する「新書アフリカ史」(宮本正興、松田素ニ編、講談社新書)では、今まで主にヨーロッパやアメリカの文字資料によって書かれたアフリカ史に、口頭伝承や考古学、民族学や言語学など、歴史学以外の学問的視点を持たせることで、アフリカ五大河川周辺の社会やサハラ交易といった、今まで日本人が知ることが無かったアフリカ史の一面が、詳細に書かれている。
新書ながら600ページ近くにもなる程のボリュームのある構成で、日本の大学の講義でも参考文献として使われるほど充実したものとなっている。アフリカを知る、特にサブサハラアフリカの歴史を深く知りたい人には、おすすめの一冊である。全国の書店や、オンラインショッピングで購入可能。