Published on
シリーズ・ベナンの歴史(5)ヨルバ人の王国
サベ王国
サベ王国は、ナイジェリアから来たヨルバ人によって建設された。
サルベという人物に指揮されたヨルバ人らは、最初はニッキの近くに移動した。だが、バリバ人に攻撃され、さらに南方に移動した。彼はサベ王のオラジャドゥンを手助けし、敵を追い返した。サベの王は満足し、オラ・オベに王位を与えた。そしてオラ・オベは、サベの丘の上の人々と住むことになった。
オラ・オベが王位についていた頃は、王国を拡大していた。王国に暮らす人は、岩の丘の上に住んでいたため、十分に防衛されていた。また、バリバ人やアボメー人などの敵に対する防衛もできるほか、丘の上から石を転がすこともできた。ただし、農作業で平地に出ていた農民が、アボメーの兵士に捕らえられることはあった。
エコチョニ王の時代、アボメー王国のゲゾ王によって攻撃されていたマヒ人を助けるため、サベに兵士を送ったが、ゲゾ王に処刑された。その後、ゲゾ王がサベ王国を奇襲し、エコチョニ王の首をはねた。サベ王国の国民は、処刑されたか捕まえられた。
フランスによるアボメー王国の占領後、サベの王はフランスに従属することになった。
ケトゥ王国
15世紀末頃までの間に、ナイジェリアのヨルバ人が現在のベナンのケトゥに向かって移動し、アロの村に住み始めた。しばらくして食料が不足し、アラルモン王子が、狩りの間に休憩する場所である「イロコ」に人々を引き連れた。そしてイロコのそばに王宮を建設し、粘土の壁で王宮を取りかこんだ。ただ、十分な土地は無く、フォン人らの土地をとった。そのようにして、権力のある王国の首都であるケトゥができた。歴代で48人の王が君臨した。
サ王は、ケトゥ王国の中でも有名な王で、街の周りを、堀と魔法の門を備え付けた長い城壁で取り囲んだ。その城壁は、高さ3メートル、長さ3キロに及んだ。
アンデ王は、時に貧しい木こりに変装し、市民に混ざり、人々の会話を聞くことがあった。王の悪口を言う者がいれば、翌日、王宮の警察がその人を逮捕、投獄する。
長年平和が続いていたのだが、アボメー王国とケトゥ王国との間で戦争が起こった。しかし、両者とも和解した。
アボメー王のゲゾ王は、友好関係にあったアデベデ王が統治するケトゥの人々に温かく迎え入れられた。だが、ゲゾ王は、ケトゥの隣村のエポでひどい怪我をした。ゲゾ王の護衛は攻撃した者に反撃した。ケトゥの住人は誤って、アデベデ王が裏切り行為をしたと非難し、王に対して反乱した。そういった不名誉なことから救うことができなかったので、アデベデ王は自害した。しかし、父ゲゾ王の復讐をするために、ゲゾ王の息子のグレレは激しく抵抗するケトゥを攻撃した。その間、住民は殺され、王国は焼かれてしまった。