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アフリカニュース

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アフリカ開発銀行総会 上海で開催

アフリカ開発銀行(AfDB)の年次総会が16日、上海国際会議センターで行われた。アフリカ大陸以外での開催はスペインについで2度目で、アジアでは初めての開催となる。

今回の総会では、以下の共通認識が形成された。

  1. アフリカの貧困削減と発展におけるAfDBの重要な役割を強化し、アフリカ諸国に対するサービスレベルをさらに引き上げる。
  2. 業績を基礎とする資金配分制度を不断に改善し、資金の使用効率を引き上げる。
  3. 弱小国・戦後復興国が社会・政治・経済秩序を復興し、国民の基本的生活を確保する上での資金面のニーズに留意する。
  4. インフラ支援を強化し、地域統合プロセスを推進する。
  5. 国連、アフリカ連合(AU)、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、アフリカ準地域開発機構、その他すべての協力パートナーとの協調と協力を強化する

人民網日本語版 2007年5月18日

また、温家宝首相は、アフリカ支援についいても触れ、債務取り消しについても、実施済みの109億元(約1715億円)に加え、さらに100億元(約1570億円)の帳消しに応じる構えである。

さらに中国政府は、今後3年間で、日米欧のインフラ政策のために設立した特別基金の合計額、200億米ドル(2兆4200億円)規模の援助と借款を提携することを約束した。この資金は、アンゴラやナイジェリアの鉄道復旧事業、エチオピアの水力発電用ダム建設事業などの大型社会基盤施設プロジェクトに投入されることになる。

ここまで大規模な援助をアフリカに対して行う背景には、資源獲得の目的がささやかれているほか、中国が国際社会の場でより優位に立つためとの見方がある。

ただ、中国のアフリカ進出について、問題を指摘する声もある。中国の援助は、欧米の援助と異なり、民主化などの条件を課すことは無い。そのため、援助額の大部分が政治家たちの間で不正に使われているのではとの疑惑がある。また、中国の援助による建設事業は、中国の会社や労働者がその大部分を請け負っていることが多く、現地の労働者の雇用促進に結びつかないケースもあるという。さらに、中国製の日用品が中国系の商店等で安く売られることで、アフリカ人が経営する店がつぶれるなど、現地の経済を圧迫するケースもある。

中国のアフリカ進出は、アフリカの中の社会構造や国際社会の構図をも変えてしまうようである。

次回のアフリカ開発銀行の総会は、モザンビークの首都・マプートで行われる。

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