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NPO法人IFE

日本語教師の窓

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お便り 88 - 1月前半

市川先生 編

2011年1月1日(土)涼しい元旦

みなさま、あけましておめでとうございます。

ベナンはとてもひんやりとした元旦を迎えました。
お昼になっても、28度。扇風機もいらない。とても過ごしやすい一年のスタートです。

たけし日本語学校の教室も、ジャパンハウスの壁もペンキが塗り替えられ、きれいになって新年を迎えられました。

これから、もっとベナンと日本との距離が短く感じられるように、こちらからも何かできたらと思います。

31日から今日にかけて、やはり新年ということもあって、なんだかご近所はにぎやかです。
爆音でかかり続ける音楽を聴いていると、『近所迷惑』という言葉が恐らくこの国にはないのかな、と思ってしまいます。「みんなが楽しければそれでいい」、そんな考え方は今の日本には必要かもしれません。
私はぐっすり寝させていただきましたが、藤波先生と加藤さんは眠りが浅くなってしまったそうです。

2011年1月3日(月)実のあるお散歩

ジャパンハウスの徒歩圏内にいくつか学校があります。
散歩をしていて、この学校覗いてみたいな〜と思っていても、なかなかそれが実現できていませんでした。

今日はアイスクリームが売っているスーパーを探しに藤波先生と散歩に出かけました。
お目当てのスーパーは見つからなかったのですが、私が気になっていた小学校の門が開いていました。

入り口に生徒のお母さんかおばあさんらしき人がいて、学校の先生に話を通してくれて、何と快く学校を見学させてくださいました!

教室は5つ。CE1〜CE2の生徒たちがいました。
この小学校もたけし日本語学校と同じく壁は半分までで、上半分は壁がありません(雨が降ったら大変なことになるつくりです)。黒板も立てかける黒板。でも、教室の中は小奇麗で、色紙の飾りできれいにデコレーションされていました。

子どもたちの制服は赤と白のギンガムチェック(これがとってもかわいいんです)。
先生方は白衣を身につけていて、どの先生も若かったです。

クラスによって、あいさつの仕方(手の動かし方)が違いました。キラキラ星のように手を動かしたり、立ち上がるときに、机をバンっと叩いたり…。それぞれの先生が工夫されている点なんだろうと思います。

元気にあいさつをする子どもたちの笑顔を見ていると、オーストラリアの小学校にいたときのことがよみがえってきて、何だかとても懐かしい気分になりました。

「いつでも来てください。」

と、学校を案内してくださった先生は言ってくださいました。お言葉に甘えて、またお邪魔させていただこうかと思っています。そのときにはもう少し、教え方とか授業内容も見られたらいいなと思います。

2011年1月5日(水)新年最初の授業

今日から授業が始まりました。
私が担当している夜のクラスに日本人のvisitorが3名いらっしゃることになっていたので、今年の目標を考えたあとで、グループに分かれて、いろいろと話をしてもらいました。

日本人の話すスピードについていけず、きょとんとしていることもあったり、話に花が咲き、笑いが起こったりと反応は様々でしたが、日本人が言っていることがわかる・わからないと感じることが今後の勉強につながっていくと思うので、こういう機会を設けられるのはこちらとしてもうれしいです(ベナンには日本人があまりいませんから、こういう機会は本当に貴重なんです)。

お越しいただいた方々にも生徒たちとの会話を楽しんでいただけたようなので、よかったです。

ベナンのたけし日本語学校にお越しいただければ、通常の旅行とは一味ちがって、思い出深い旅行になること間違いなしです!!なにせ、たけし日本語学校は地域密着型ですから、観光地を回るだけでは味わえない経験ができると思います。ヨーロッパ、アフリカへお越しの際には、ぜひお立ち寄りください!(お手数ですがいらっしゃる場合は、事前にご連絡いただると幸いです。。。)

2011年1月7日(金)観光案内情報

IFEでは『ベナンへいこうよ』という観光ガイドブックを販売しています。

そのガイドブックをつくったのが日本のIFEのスタッフの山瀬さんで、今回その山瀬から、ベナンの観光情報を学生のみなさんにも書いていただけないかという依頼がありました。本来であれば、生徒全員が日本語で書けるのが理想ですが、そうもいかないので、初級の生徒さんでもフランス語でもいいので、書いてくれる人はいませんか?と声を掛けたところ、多くの生徒さんが名乗り出てくれました。
協力を呼びかけると快く引き受けてくれる人が多い・・・これはたけし日本語学校の学生のみなさんのすばらしいところだと思います。

どんな情報が集まってくるのか、私もとても興味があります!日本のみなさまにさらによい観光情報がお届けできるといいなと思っています。お楽しみに!

2011年1月10(月)就任式

式典1この度、ゾマホンさんがイダシャ王国の Chef coutumier de la dynastie royale egba (王宮守護者・二番目に偉い人だそうです)に就任されました。名前は”OLOGONAN”。その式典が本日、ダサズメでおこなわれました。

会場には多くの人が集まり、それぞれ歌や踊り、楽器の演奏などをしていました。

恐らく地域(もしくは家系)ごとに歌や踊りをしていたと思うのですが、その様子は日本のお祭りの山車のようだと思いました。

まずは、王様が入場され、会場が一気に盛り上がりました。

式典2式典中のゾマホンさんは神妙な面持ちで、真摯にその役職の重要さ、すばらしさを受け止めているようでした。

そして、『聖なる場所』へゾマホンさんが入り、村の男性たちがゾマホンさんを囲み、ゾマホンさんの姿が見えなくなる・・・この瞬間からセレモニーが始まり、セレモニーの最中はテレビカメラも写真も一切禁止。
セレモニーでは、長老たちが入れ代わり立ち代り、ゾマホンさんに対して声をかけているようでした。

セレモニーがおわると、ゾマホンさんのスピーチ。
大統領選挙さながらのスピーチに観客から掛け声、拍手が沸き起こりました。

そして、会場からゾマホンさんのお母様が眠るご実家までパレード。ご親戚の方々はゾマホンさんの姿を見て、本当にうれしそうでした。

式典3式典4

式典5ゾマホンさんはこういった式典で必ず私たち日本人を紹介してくださいます。そういったときは、なかなかベナンにはいらっしゃることができない、日頃ゾマホンさんがお世話になっている日本人の方々への感謝の気持ちと敬意もそこにこめられているのではないかと思います。

ゾマホンさん、このたびはおめでとうございました。日本にいながら、こういった重要な役職に任命されるということはふつうではないと思います。ゾマホンさんだからこそされることだと思います。

 

 

今回は在ベナン日本国大使ご夫妻、大使館の職員の方にもご列席いただきました。

式典6式典7

2011年1月11日(火)シアバターのハンドクリーム

皆様、既にご存知かと思いますが、ベナン産のシアバターが入ったハンドクリームが店頭で販売されています。その試供品を日本からいただいたので、学校の掲示板にミニパンフレットと試供品を掲示しました。

すると、「先生、これは何ですか。」と一番下のクラスの学生から質問があり、ベナンのシアバターが入っていることを伝えると、「先生、『どうぞ。』(私(市川)がみんなに「どうぞ」と配ってください)」と言われました。思わず笑ってしまいました。これが先週の出来事。

そして、今日の授業のあとも、「先生、『どうぞ。』」と言うので、その試供品のチューブから少しずつ、みんなの手にのせました。するとみんな、匂いをかぎ、手に広げ、そして、顔にもぬっていました。

「いいです!」

とみんな口々に言っていました。とてもほほえましい光景で、私としてもうれしい瞬間でした。

ベナンの人も納得のシアバターのハンドクリーム『スキンピース』。ぜひぜひお試しください!!

2011年1月12日(水)八つの心得と育成クラス

たけし日本語学校では、今、『八つの心得』を学生のみなさんに伝えています。日本のIFEの代表の山道さんが考え、ゾマホンさんが承認したものです。

  1. 自分の利益だけでなく、他の人のために行動すること
  2. 正直であること
  3. 言いわけをしないこと
  4. 心身ともに健康であること
  5. 十分に努力すること
  6. 最後まで手を抜かないこと
  7. 自分以外の人をすべて敬うこと
  8. 常に感謝の心を忘れないこと

1. に関してはゾマホンさんがいつも強くおっしゃっていることです。8. もまたゾマホンさんは「恩」と言って、とても大切にされています。

私は以前、日本にある日本語学校で教えていたことがありますが、「”国の発展のために”日本の技術を勉強したいです。」と言っていた学生はいませんでした(私が知っている限りでは、ですが。)。たけし日本語学校で長く勉強している学生の中からはこういった言葉がふつうに聞かれます。私はここに来て、まだ6ヶ月ですがそれがふつうになってきてしまいました(これはふつうではなく、すばらしいことだと思うのですが。。。)。

そして、山道さんと藤波先生と私とで、いろいろと話し合い、誕生したのが『育成クラス』。
たけし日本語学校では日本語を教えるのはもちろんのこと、将来、国を背負って立つ人になれるよう、いろいろな方面から自分で考える力を養ってもらおうとしているのがこのクラスです。対象はある程度日本語教育が進んだ学生さんです。

どうして、この学校ではそこまでするのでしょうか?

もちろん、今、日本にいるほとんどの留学生のように自分のお金、ご両親のお金で日本語学校へ行き、日本の大学に進学するのであれば、自分のやりたいことだけを考えてもいいかもしれません。ですが、ベナンからはよほどのお金持ちでなければ、自分で日本の日本語学校に留学することもできませんし、大学に行くことも出来ません。となると、(日本の)国費での留学になるわけです。お世話になった日本に恩返しをしつつ(恩返しをするためにも)、自分の国のために働く・・・ということが自然の流れのように感じます。

ですが、何をどう考えるかは、その人それぞれです。こちらが強制することはありません。もちろん、この育成クラスへの参加も希望者のみです。

3 コメント

村木いもうと

こんにちは!!

新年早々、父と姉と共に、授業の見学をさせていただきまして大変お世話になりました。

無事に日本に帰国し、ありえない寒さと日々戦っております。

短い時間でしたが、今回の授業の見学は大変貴重な経験となりました。

ベナンの方の『日本語を習得する』という熱意が伝わりましたし、日本では考えられない環境での熱心さは頭が下がりました。

本日、こちらの民放でベナンの特番の放映がありました。
こちらの日本語学校の生徒さんでしょうか?田中さんの花畑牧場の留学生として頑張っている姿は先日一緒に授業をした方との仲間だと思うとただただ番組を眺めるだけでなく、なぜか他人とは思えない!?(おおげさ・・・)ような気持ちにもなりました。
親近感が沸きましたね~

沢山写真を撮らせてもらったなかでの“コマネチ”こちら大評判です♪

日本語学校、応援しています!!

藤波・市川

村木さん、こんにちは。

先日は授業に参加してくださり、どうもありがとうございました。
そして、ブログへのコメントも、ありがとうございました。

あの日は、教室の雰囲気がいつもとは違いました。
やっぱりいつも日本語を勉強しているので、教師以外の日本人の方と話すのは、生徒にとって本当に励みになるようです。本当にどうもありがとうございました。

先日、特番に登場した花畑牧場の研修生2名が帰国しました。
これからが楽しみです。

こちらは相変わらず毎日日本語の授業をやってます。
おそらくこれからも同じように、この学校では日本語の授業が続いていくんだと思います。

村木さんも、日本はまだまだ寒いと思いますので、風邪などひかれませんよう、ご自愛ください。
お父様にも、よろしくお伝えください。


藤波大吾
市川あずみ

おぐに

藤波さん、市川さん、元日本語教師の皆さん、お元気ですか?

先日第一回の日本語教師同窓会に参加させていただきました。
その時の様子を少しだけブログにアップしましたので、
どうぞご覧下さい。
http://baguio.cocolog-nifty.com/nihongo/2011/05/in-5a0a.html

来年の第二回同窓会でお会いできることを楽しみにしています。
健康にはくれぐれもお気をつけください。
ほてる・ココチエでのリゾートも楽しいですけどね。笑

おぐに@フィリピン・バギオ

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