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アフリカのニュースを掲載するにあたり
「アフリカのニュース」といっても範囲が広すぎていろいろあると思います。取り上げる内容もさまざまだと思います。しかしながら、日本のマスコミの多くは、アフリカ関連のニュースのほとんどを、内戦、飢餓、貧困、未開、野蛮などといった言葉に関連するような視点で取り上げることが多いように思います。確かに、統計で見れば、アフリカ地域は世界の中でも内戦や飢餓、貧困は多いのは事実です。だからといって、それ以外の内容を報道しないからというのは、いくら視聴率や協賛の問題があるとはいえ、マスコミとしての機能を十分に果たしていないのではないでしょうか。
特にテレビに関して申しますと、子供に与えるインパクトはあまりに大きく、テレビで見たものが、イコールアフリカと思ってしまう構造を作っているように感じられます。アフリカには53もの独立国があり、それらの政治形態や社会は、それぞれが似ていながらも違うところが多いものです。にもかかわらず、国の名前をあまり取り上げず、アフリカというひとくくりの中に、ある種日本が文明国で、テレビで取り上げたアフリカの国や地域が野蛮な後進国であるという、一元的な印象を与えているようにしか思えません。
さらに問題なのは、義務教育や高等学校などでのアフリカに対する教え方です。ご存知のとおり、アフリカが教科書に登場する分量は、ほかのアジアや欧米のものよりもわずかで、概要的な内容が多いものと思います。内容自体も、南アフリカのアパルトヘイト、各種地下資源、砂漠化や貧困といったトピックが多いものでしょう。歴史に関しても、本格的に登場するのは奴隷貿易が始まった16世紀からであり、それまでの歴史情報は決して充実したものとはいえないでしょう。そのような背景で勉強してきた先生方が現に今アフリカに関して教えているのですから、先生方もアフリカについて偏った知識しかもってなく、それで生徒に教えるというのですから、充実したアフリカ教育は不可能だと思います。現に私がお世話になった先生方も、アフリカ諸国の国の名前、例えばブルキナファソを知らない先生がいたりするものです。
そこで、このコラムでは、これらマスコミではあまり取り上げられないアフリカ諸国のニュースを、それも明るく、専門家やアフリカ好きの方しか知らないようなマニアック物を取り上げていきたいと思っております。一元的な日本人の持っているアフリカのイメージを、このコラムから二元的、三元的になっていき、日本とアフリカ諸国の文化交流のきっかけになれば、この目的は達成したといえるでしょう。
これからアフリカに対して、政府や民間企業が投資していく機会が増えていくでしょう。最近は韓国や中国がエネルギー資源の採掘権などの分野でアフリカ諸国に参入していくこともあって、ますますアフリカに対する知識・関心は増えていくことと思います。
(文責:山瀬靖弘)
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