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アフリカニュース

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TICAD IVを振り返る

福田総理は、日本企業のアフリカへの投資を促進させるため、国際協力銀行に「アフリカ投資倍増支援基金」を設け、今後5年間で25億ドル(約2600億円)規模の金融支援を行うことを表明した。また、アフリカの開発や成長、投資に必要な交通インフラの基盤整備支援に、5年間で最大40億ドル(約4150 億円)の円借款を提供することも明らかにした。さらに、医療・保健分野における10万人の人材育成、母子手帳の普及、地下水開発や水道管理の専門家である「水の防衛隊」の派遣などに関しても明らかにした。大枠は決まったものの、今後ここで表明された支援が具体的にどのように行われるかが大きな課題となった。

このほか福田総理は、国連安保理改革、および常任理事国入りについてもアフリカ諸国に理解を求めた。

アフリカ諸国からはインフラの問題を取り上げた発言が目立ったほか、日本からの投資を求める声もあった。アフリカ諸国の経済成長率は平均 6%で、比較的順調に推移していると見られている一方、政情不安な国が多いというイメージやヨハネスブルクなど大都市での凶悪犯罪が課題になっている側面もある。

会議は30日、TICAD Ⅳで採択される今後のアフリカ開発の方針を示す政治的文書である「横浜宣言」をもって閉会した。この横浜宣言は、アフリカ開発のために国際社会の取り組みを強化することをうたったもので、(1)広域インフラの開発と、農業の生産性向上、および水資源の供給および管理等に対する支援、(2)エイズやマラリアなどの感染症の取り組みを含む保健システムの強化、(3)切れ目のない平和構築への努力と、安全保障理事会を含む国連の改革の必要性、(4)気候変動に対処するための技術移転――などが盛り込まれた。今後の道筋として、G8の議長国である日本が、TICAD IVの成果を今年の洞爺湖サミットにつなげていく重要性を確認した。

TICADとは何か?

TICADとは、Tokyo International Conference on African Developmentの略称で、日本が国連、世界銀行などとの共催で開催する、アフリカの開発をテーマとする国際会議のことである。冷戦終結後で、国際社会のアフリカに対する関心が薄れつつあった1993年から、5年毎に開催されている。TICADでは、日本が一方的な援助を行うのではなく、アフリカに対し自助努力を促すような取り組みに重点が置かれている。

アフリカの天然資源

アフリカ大陸は石油、天然ガスなどの化石燃料、鉄鉱石やボーキサイトなどの鉱産資源のほか、プラチナ、コバルトなど半導体には不可欠なレアメタルが多く眠っている。資源のほとんどを輸入に頼る日本にとっては、アフリカ諸国に対してより緊密な関係を気づく必要がある。もともと、アフリカ諸国の大半はイギリス、フランス、ポルトガルの植民地であったため、それら欧州の国々が早くから開発に乗り出していた。しかし、ここ数年の世界的な価格高騰が問題になっているため、アフリカは投資先として世界から注目されており、中国、韓国、インド、ロシアなどもアフリカ諸国へ進出し始めている。

このため、日本政府は天然資源が豊富な国を中心に、円借款の供与国を増やす方針を示しているほか、アフリカ向けの援助額を大幅に増やしており、資源外交を意識していると見られている。

福田総理とヤイ・ベナン大統領との会談

会議開催前日の27日(火)、福田総理とヤイ・ベナン大統領との二国間の首脳会談が行われた。ヤイ大統領はTICAD開催について福田総理に感謝を述べたほか、食糧援助、給水支援、日本大使館開設について要望が述べられた。これに対し福田総理は、食料援助については早急な検討を行う、また給水支援については他のドナーと協調して対処したい旨を述べた。大使館開設について福田総理は、二国間関係を強化していく観点から検討していく旨を述べたにとどまり、確約となる回答はなかった。

ヤイ大統領以外にも、27日~29日の3日間でアフリカ諸国40カ国の国家元首らと二国間の首脳会談が行われた。3日間でこれほどの人数の首脳会談を行うのは珍しいが、1件あたり最大20分と決められていたため、アフリカ諸国の国家元首らからは「時間が少ない」などといった声もあった。

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