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北海道洞爺湖サミット開催 ~初日はアフリカ問題の協議~
7月7日から9日までの3日間、北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)が開催された。初日の7日はアフリカ問題について協議され、G8(日、露、英、仏、独、伊、米、加)のほか、アルジェリア、セネガル、ガーナ、ナイジェリア、エチオピア、タンザニア、南アフリカのアフリカ7カ国の首脳、アフリカ連合(AU)や欧州連合(EU)の議長、国連事務総長や世銀総裁を含めた拡大対話が行われた。
拡大対話では、原油・食料価格の高騰といったグローバルな課題、ミレニアム開発目標やジンバブエ情勢について議論が展開された。
原油・食料価格の高騰
アフリカ各国の元首は、貧富の差が激しい国々において強い衝撃を与え、暴動やストライキなどの社会的混乱が問題になっている原油・食料価格高騰に対し、緊急行動を要求した。特に、農業生産性を向上するよう農業技術の伝達、種もみや肥料の供給支援や灌漑設備などを求める意見が出された。また、原油取引で莫大な利益を上げているとされる投機マネーへの課税の必要性を訴えたが、議長総括において、供給面における生産量と精製量の増加、および需要面におけるエネルギーの多様化と効率改善に向けた更なる努力の重要性を表明するとのステップに留まった。
ミレニアム開発目標
ミレニアム開発目標達成のため、取り組みを再活性化する。G8が水、教育、保健分野のアフリカ支援を強化するほか、G8保健専門家が感染症との闘いに関する行動原則やとるべき行動を盛り込んだ「洞爺湖行動指針」を提唱した。
※ミレニアム開発目標については、外務省:ミレニアム開発目標を参照。
ジンバブエ情勢
野党勢力弾圧が深刻な問題となっている現在のジンバブエ情勢に対して、アフリカ諸国・G8ともに全会一致で非難した。制裁論も出たがアフリカ諸国は慎重気味で、制裁論に関して意見は一致しなかった。
また福田総理は同日、アルジェリア、ナイジェリア、南アフリカの3カ国の首脳とか会談を行った。特に南アフリカは、いわゆるBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の1つを構成する経済大国で、福田総理はムベキ南ア大統領に対し、温室効果ガスの削減を要請した。だがムベキ大統領は、BRICSの他の国々と同様、積極的に削減する態度を示さなかった。
ナイジェリアのヤラドゥア大統領との会談で、福田総理は原油窃盗団が深刻な問題になっているニジェールデルタの治安改善の必要性について強調した。アルジェリアのブーフリカ大統領は会談で、アフリカの国々は日本の技術や成功のノウハウを知りたいと考えており、アルジェリアも日本との関係を深めたいとの旨を述べた。