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ナイジェリア バイクのヘルメット着用義務化
09年1月1日から、ナイジェリアの連邦道路安全委員会(FRSC:Federal Road Safety Commission)が、バイク乗車時のヘルメット着用義務化を開始した。しかし、この新法の施行に伴い、全国で様々な問題が起こっている。
まずは、ヘルメット価格の上昇である。ナイジェリア南西部の都市・イバダンでは、一般のプラスチックヘルメットの価格は、新法施行前は1個当たり700 から750ナイラ(約430~460円)だったが、施行後は2500ナイラ(約1520円)に急上昇している。厚めのヘルメットも、1500ナイラで売られていたものが3500ナイラ(約2130円)で売られている。
こういう背景があるためか、大型のヒョウタンや乾燥したカボチャの皮、ヘルメットとは異なる安全用帽子をかぶったりしてごまかす者もいる。また、ヘルメットの数そものが不足しており、中には建設会社からヘルメットを調達するバイク運転手らもいる。
さらに、ヘルメットの着用はバイクの運転手のみでなく、同乗者も着用が義務づけられている。ナイジェリアにはバイクタクシー「オカダ(Okada)」というものがあり市民の足として利用されている。だが、オカダの乗客らからは、安全装置のヘルメットから皮膚病などの病気が感染するのではないかという不安の声が上がり、ヘルメット着用を拒否する乗客もいる。ラゴスなどの暑い気候のもとで、不特定多数の人にヘルメットが使われるからである。オカダの乗客がヘルメットを着用していないところをFRSCに見つかった場合、ヘルメット未着用のバイクの運転手と同様、オカダの運転手が罰金を払うことになっている。罰金を払い、ヘルメットを購入するまでバイクは没収される。罰金は1回あたり2000ナイラ(約1220円)だが、1日超過する毎に保管料がさらに200ナイラ追加される。乗客らがヘルメットを着用しても、目的地到着後に、そのままヘルメットが盗まれることもよくある。
1月1日に施行されたこの法律だが、1月9日までで5000人以上の逮捕者が出ている。バイクやオカダの運転手にとっては、新法によって多くの不都合が生じている。
※本文中の通貨レートは、2009年1月31日のもの。