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ベナン たけし日本語学校生徒へのメッセージ 3
6.ビジネスチャンスをつくる
私は、日本の大学に留学できる道を広げることと同時に、ベナン国内の産業も発展できればと願っています。いまIFEで取組んでいるのが「Feel Peace」というプロジェクトです。現在「Feel Peace」の活動はベナンで採れるシアバターを日本に輸出し、ベナンの産業を発展させるきっかけを作るというものです。シアバターを収穫、加工、販売という単純なものですが、ひとつひとつはとても細かい仕事を求めます。それは日本というお客様と商売をするからです。そしてその中で、新たな仕事も生み出していきたいと思います。
例えば、シアバターが収穫できる地域から、コトヌーの港までシアバターを運ばなければいけませんが、そこにも「運ぶ」という仕事が生まれます。そういう「新しい仕事」を生み出し、少しずつベナン国内の産業が発展していけばと思います。
7.ビジネスを通して求めること <お金がないといわない>
仕事をはじめるにしても、やはりお金がないと難しいものです。それは私も理解しています。ただし、お金がないと、何もできないかといわれると、そうではありません。
お金がなくても、この仕事は必要だと思えば、まずできる限り自分の力で挑戦してみてください。やってみることで、周囲が理解し、あなたに協力するかもしれません。
「○○という仕事を考えたのだが、お金がないから日本人に支援して欲しい。」
最初からその気持ちがあっては、絶対成功はしません。まずは実行すること、そしてその情報を発信すること、それが一番大切です。
8.日本の武士道精神 守破離(しゅはり)
最後に少し難しいことを話します。
私は昔から武士道というものを学んできました。そこで一番大切なのは「守破離」という考え方です。この考え方は、人から何かを教えてもらうとき、自分が何かを学ぶ時の精神です。
「守」とは・・・
教えてもらう先生(相手)の言うことを、100パーセント守り、実行すること。
(例)先生から「○○してください」といわれたとします。その時に「それはベナンの考えと違うからできません。」というのではなく、まずは先生の言われた通りに行動することです。心の中で“違うかな~”と思ってもOKです。まずは言われたことを100パーセント守り、行動することです。これが「守(しゅ)」です。
「破」とは・・・
「守」ができるようになれば、今度は自分の考えや、教えてもらった先生以外の考え方も取り入れることです。
(例)先生から「○○してください。」といわれ、実際にやってみました。そして、先生の言われたとおりにできるようになりました。そこで次にベナンの考え方も取り入れたやり方を自分なりに研究し、考え、行動にうつします。これが「破」です。
最後は「離(り)」です。
「離(り)」とは・・・
「守」「破」ができるようになって、最後に「自分のやり方」を完成させることです。
(例)先生から「○○してください」といわれ、できるようになり、その上、自分の考えも取り入れ行動できたとします。そして今後自分が先生になり、人を指導する立場になった時、自分なりのやり方を教える事ができるようになります。これが「離」です。
この話をあえてしたのは、これから日本とビジネスパートナーとして付き合っていく際、必ず、それぞれの国の仕事のやり方があり、互いの方法がぶつかったりするでしょう。
今後、皆さんの中で、日本と仕事をする機会があった際は、日本はほとんどお客様です。お客様のいうことをまず守ることが日本では一番大切なことです。
その時に「いや、ベナンのやり方ではないとできません。」というのではなく、まずはお客様のいうとおりにやってみることを心がけて欲しいと思います。その時に「守破離(しゅはり)」という考え方を思い出して欲しいと思います。そうするときっとうまくいくと思います。
9.最後に
以上、長くなりましたが、私から皆さんに対してのメッセージです。
また時々メッセージを送りますので、意見があれば日本語の先生に伝えるか、ife@zomahoun.comまで連絡ください。
日本のNPO法人IFEは皆さんとともに成長していきたいです。いつも皆さんとともにいることを忘れないで欲しいと思います。
<おわり>