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小学校建設で大切な事・・・
ゾマホンは2001年からこれまでに、ベナンで小学校を6校建設してきました。正しく伝えると、ゾマホン個人で建てたのは3校。残り3校は日本人の方に寄付していただきました。
以前、テレビでカンボジアに小学校を建てるプロジェクトを観ました。いろいろな人がオークションで集めたお金で建てるといった企画です。ちなみにベナンでは「あいのり」という番組のおかげで小学校が1校できました。やっぱり、小学校は大切です。
しかし、ゾマホンと一緒に活動してきて、小学校を建設する上で、忘れてはいけない大切な考え方がいくつかあります。その中でも以下の2つは重要です。
- 「建設した小学校に通う子供たちに対してどのような教育を行うか。」を十分考える。
- 建設後の学校の補修(保守)
恐らくふたつ目の項目は(?)が付く方も多いと思いますのでお話します。
学校は建造物なので、必ず壊れてきます。当たり前です。ベナンでは日本のように建築技術や建築資材が高品質ではないので、壁なども崩れてきます。それを修理するのが一番大切なのです。
・・・それはなぜか。
小学校は、教育を普及させるシンボルであり、象徴です。その小学校の建物が壊れることは、教育普及の崩壊を意味します。小学校を建設した地域の住民にいたっては、崩れてきた小学校を見て、「やっぱり小学校は必要ない。無理だった。」と思うようになるからです。
そもそもなぜ、小学校が増えないのか、ざっくりとベナンの様子を紹介します。
ベナン文部省の官僚Dさん意見
ベナンの政府だって、小学校を建てたいと思っています。
でも、予算がないのです。予算がないから建てられないのです。
それにベナンは建築技術が発展していません。なので外国から人を呼ぶ場合もあります。それに資材はほとんどが輸入なのです。だから建設費は高いんです。
村人代表Bさんの意見
子供は私たちにとって、大事な労働力です。本当は勉強させてあげたいのですが、一人の労働力がなくなると生活できません。それに学校にいけば、いろいろお金もかかります。
これが現状です(上の2つが代表的な意見です)。
そんな環境の中、ゾマホンが小学校を建てたとします。最初は綺麗で美しい建物に住民たちも喜ぶでしょう。しかし、子供たちを小学校に通わせることは、次第に家計を圧迫していきます。
それと同時に、最初は綺麗だった建物も、ペンキがはげたり壁が崩れ始めると、教育熱も次第に下がってきます。一種の流行熱のように・・・。そして、小学校も築数十年経つと、ボロボロになり住民からは「やっぱり無理だったんだ。」となります。一度失敗すると、二度目やるのは大変です。
そのような状態だけは、阻止しなければいけないので、小学校を建てた以上、常にその小学校の補修を行い、いつでも綺麗な状態にしようとしているのがゾマホンです。
今回皆さんに、「建てた後もお金がかかるんだ。」ということだけを言いたかったのではありません。小学校ひとつ建てるにしても、建てる事だけを考えてはいけないということを伝えたかったのです。
小学校建設は刹那的なものではないのです。数十年、数百年のものです。そして今日も将来のベナンを想い、各小学校を飛び回っているゾマホンの姿を思い浮かべるのです・・・
下の写真は、ベナンで建設中の小学校の写真(当時)と、あいのり小学校