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NPO法人IFE

日本語教師の窓

Category "お便り" の記事一覧

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お便り 123 - 2014年6月

倉益先生 編

初・萩の月皆様こんにちは!

ご無沙汰しておりました。最近ベナンは雨季に入り、過ごしやすい日が多くなって参りましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

雨季の到来にともない、道やマーケットでは旬のフルーツ、マンゴーをみかけるようになりました。赤や緑、黄色やオレンジなど、小さいのから大きいのまで、色とりどりのマンゴーが目を楽しませてくれます。手に取ると「ズッシリ、ドッシリ」なのに、見た目とは裏腹に皮の裏側までジュワ〜と繊細な甘みが広がっていて、これぞ「自然の恵み」の名にぴったりです。小ぶりが大体5つで100CFA(20円)、げんこつ2つ分位の大きさになると1つ200CFA(40円)程です。

ベナンの果物は・・とにかく甘いです。パイナップルにマンゴー、パパイヤにオレンジ。土によるものなのか、品種によるものなのか、それとも気候のおかげか。理由は定かではありませんが、自然に感謝です。ベナンにお越しの際はぜひお試しください。

さて、今回は皆様に「たけし日本語学校」を支えている現地スタッフの一人、秘書のジェラさんを紹介したいと思います。

ジェラさんは7年前に日本語を始め、現在は毎日「Japan House」に来てIFEや学校の仕事をしてくれています。日本語の発音がとってもきれいなうえ、分からない言葉があるとすぐに調べるので語彙も豊富です(曲などを聴いてすぐにサラっと歌っていたりするので、きっと耳も良いのだと思いますが・・・)。

日本語以外にフランス語やフォン語アジャ語など6言語話せるそうです。なぜか帰宅する時の挨拶が「行ってまいります」で、朝一番の挨拶が「やっほー!」です。不思議です(笑)

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お便り 122 - 2013年11月

倉益先生 編

「先生~先生~」

突然私を呼ぶ声が聞こえたので外に出てみると、何やら怪しいサングラスをかけて立っているイレネーさんの姿が。

「あれを見てください」

と、ふいにサングラスを手渡されようやく気がつきました。

「あ~~~、今日は日食の日だ~!」

そういえば去年は東京で見たっけなぁ、なんて思い出しながらサングラス越しにしばし観賞。前回は仕事中で十分に見ることが出来ませんでしたが、今年はなんのその。心ゆくまでベナンの空を見上げていました。

インターネットから離れた生活を送っていると、強力な情報源はもっぱら生徒達です。学生や教師、店員、裁判官、エンジニアなど、みんな職業も興味関心も様々なので色々な情報が集まります。そして面白いです。

「先生、日本で今日はお月見ですね!」と言われたときは、すっかり忘れていただけに何だか恥ずかしくなりました。と、同時にススキを隣に白いお団子を食べた遠~い昔の記憶がよみがえってきました。

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お便り 121 - 6月前半

笠井先生 編

2012年6月10日(日)最後のテスト

今たけし日本語学校はテスト期間真っ只中です。そして今月末に帰国する私にとっては、これが学生に課す最後のテストとなります。

試験監督をしながら、私のベナンでの仕事が終わりに近づいていることを実感しました。この 1年は、あっという間に過ぎたような気もするし、ものすごく長かったような気もします。とにかく言えることは、今までの人生の中で最も濃密な 1年だったということです。大げさかもしれませんが、授業を終えるたびに『自分は生きている』と実感できる日々でした。

帰国を前にして、ベナンへ来られたことが本当に幸せなことだと感じています。ベナンへ来なければ、私にとってベナンは、アフリカはずっと遠い世界のままでした。自分とは切り離された、テレビの枠の中の世界でしかなかったと思います。

学生と、ベナンの人々と、この 1年という時間を共有できたことは、私の生涯の宝になると思います。自分の目で見たこと、耳で聞いたこと、頭で考えたことを忘れずに、生きていきたいと思います。

これから自分がどのようにベナン、アフリカと関わっていくのか、それはまだわかりません。しかし、この 1年間で出会った人とのつながりを大切にして、細く長く交流を続けていければと思っています。

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お便り 120 - 5月後半

永田先生 編

2012年5月20日(日)日本語能力試験

英語を勉強している人がTOEICを受けるように、日本語を勉強している人にも大きなテストがあります。それは「日本語能力試験」。しかし、残念ながらベナンでは日本語能力試験を実施していないため、たけし日本語学校の学生は、ベナンでこの試験を受けることができません。それでも、彼らはこの試験の存在を知っているため、自分のレベルが、この試験でいうとどのぐらいなのか、実は知りたがっています。

日本語能力試験というわけで、今回は2008年の過去問を使って、受けたい人は実際にやってみよう、という日を作りました。西日が射す暑い中、数人の生徒たちに旧 4級(現在のN5レベル)の過去問をしていただきました。本当にみんな頑張って試験をしたので、私は試験実施中、せっせと台所でおにぎりをたくさん作って、試験終了時間に合わせて教室に持って行き、「お疲れ様でしたー!」とみんなに声をかけましたが、そんな高いテンションなのは私だけで、全員教室でぐったりとしていました。長時間のテストがはじめてだった人が多かったため、かなりしんどかったようです。「疲れました」「長いです」など、短めの言葉が交わ される中、おにぎりを配ってしばし閑談。その後、採点をしましたが、けっこうみんないい点数で、合格ラインを超えている生徒はたくさんいました。後日、試験結果を彼らに伝えましたが、やはり「本当のディプロマがほしいです。」との声が。ほかにも旧 3級(現N4)の合格ラインを超えている生徒もいるし、是非 ベナンで勉強しているみんなにも本当の日本語能力試験を受けるチャンスがあればなぁ〜と考える今日この頃でした。

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お便り 119 - 5月前半

笠井先生 編

2012年5月1日(火)ことば

暦もとうとう5月。私の任期もあと 2ヶ月となりました。今日は平日ですが、メーデーで授業がお休みなので、この機会にベナンの「ことば」事情について書いてみたいと思います。

ベ ナンでは公用語のフランス語に加え、フォン語、ダサ語、バリバ語、デンディ語など、50近い現地語も人々の生活の中で使われています。現地語は多様で、隣 の町では全く違う言語を話し、互いの現地語では意思疎通が取れない場合もあります。異なる現地語を母語に持つ人同士の橋渡しとして、フランス語が機能して いるという状況です。

現地語が家庭内で教えられるのに対し、フランス語は学校で教育が行われます。フランス語教育は小学校 1年生から始められます。そして特に 1年生の間は 1週間30時間の時間割のうち、ほとんどがフランス語教育に当てられます。こうして子ども達は現地語とフランス語のバイリンガルになっていくのです。日本 の子どもが英語を学ぶのと大きく違う点は、フランス語が日常に溢れている環境にあるということです。テレビをつけても、CDを聞いても、新聞を見ても、本 を読んでも、ヤイボニ大統領のスピーチを聞いても、フランス語が目や耳に飛び込んできます。また子どものフランス語教育に熱心な家庭では、家庭内でもフラ ンス語を使うようにしているそうです。今後は現地語が話せない子どもが増えていくのかもしれません。

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お便り 118 - 4月後半

永田先生 編

2012年4月28日(土)先入観

あるクラスで、ペアワークで情報の違う教室内の絵を生徒にわたし、A:「○○さんは、どの人ですか。」B:「○○さんは、寝ている人です。」みたいな会話をさせる、インフォメーションギャップのアクティビティを15分ほど行いました。A役の人に探してほしい人は「ミン」さん。ところが、A役のある生徒が「ミラーさんはどの人ですか。」とB役の生徒に質問しています。わたしが「ミラーさんは絵の中にいませんよ。」と言うと、A役の生徒は「あっ、いつもミラーさん、ミラーさんですから・・・」と言ってミラーさんをミンさんに訂正して質問しておりました。「ミ」から始まる名前を見ると、つい条件反射で、生徒は「ミラー」さんだと思うようです。アクティビティでもミラーさん・・・。恐るべし。

2012年4月29日(日)ひっくり返される

怒涛の週末授業がやっと終わった〜、と日曜夜のクラス終了後、ほっとしていると、「先生〜これはなんですか。」と、ある生徒が教室の外から緑のたらいを持って、教室へ戻ってきました。あっ!そのたらいの中には亀の浦島さん!!夜のクラスの時間帯は浦島さんのおやすみタイムなので、生徒たちには紹介していませんでした。突然起こされた浦島さんは、生徒によってまず、たらいからつまみ出され「ベナンで亀は食べられますよ。」と言われながら、次に甲羅をひっくり返され「手のここを切って・・・でもこの亀は小さいですから食べられませんね。」などと言われ、食料ネタにされました。あ〜もうほっとしている場合じゃない。わたしのペットが危険な目に・・・。ひっくり返されている間、浦島さんはもはや引きこもって、目を閉じ一瞬たりとも動きません。「この亀の名前は浦島さんです。わたしのペットですから食べないでくださいね。」と説明し、生徒たちによって浦島さんは教室横の定位置に戻されました。今のところ、亀は絶対に食べたくないです。

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お便り 117 - 4月前半

笠井先生 編

2012年4月9日(月)ベナンの病院

今日は私の担当する授業が無かったので、病院へ行ってきました。首や足、手などに発疹が出てしまったので、それを見てもらうためです。私にとっては初のベナン病院訪問です。

せっかく?なので、今日は私が見たベナンの病院事情を書いてみたいと思います。転んでも、もとい発疹になってもただでは起きません。

さて、私が訪れたのはコトヌーの中心にある私立病院です。規模は中程度の総合病院で、受診料は10,000CFA(約2,000円)です。平均月収が30,000CFAのコトヌーにあって、これはかなり高いと言えます。安い病院では受診料は2,000CFA程度と聞きましたが、どちらにせよ病院は気軽にかかる所では無さそうです。時々マラリアになった学生に『病院に行きましたか?』と尋ねても、しばしば『いいえ』という返事が返ってくるのは、受診料の高さに原因がありそうです。

病院に入って、まずは受付に向かいます。受付には看護士らしき人がガラス越しに座っていて、駅の窓口のようにガラスの下にはお金や書類をやり取りする隙間があります。ここで症状を話し、どの科の医者に見てもらうかを決め、名前を告げます。そしてこのときに受診料を払ってしまいます。ベナンの病院は前払いなのでしょうか。いきなり支払いを要求されたので、私は少し面食らってしまいました。もしかしたら食い逃げならぬ受診逃げが以前あったのかもしれません。

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お便り 116 - 3月後半

永田先生 編

2012年3月17日(土)テスト週間

テストというものは、教師側としたら作るのが本当に大変ですが、生徒にとっても前々から勉強をしなければならないので、大変です。

が!うちの学生は社会人も多いので、仕事が忙しい時期とテストがかぶったりすると、まぁ1回で合格ラインの60%に達してくれる生徒はわずかです。

私も転職して日本語教師になったものですから、働きながら勉強することは、本当に大変なことだと少しはわかります。でも、そんなにわたしの授業って悪い・・・!?と考えるのもナンセンス!再試で60%とっても、そこまでの実力がともなっていない生徒は、容赦なくクラスを変えて、もう一度同じ文法を学習するように指導しました。果たして、そんな彼らが4月からの変更後のクラスにしっかり登校してきてくれるか、うーん、心配です。

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お便り 115 - 3月前半

笠井先生 編

2012年3月4日(日)ベナン旅行のすすめ

3月1日から今日4日まで、大阪大学の先生方と学生19名がベナンを訪問していました。

皆さんは大学で日本語を専攻していらっしゃいます。日本人なのに大学で日本語を勉強するというのはどういうこと?と思われるかもしれませんが、この日本語専攻の中で、日本や世界中で日本語を教える日本語教師が養成されていくのです。

大阪大学日本語専攻では、毎年世界各国の日本語教育機関を訪問し、現地の日本語学習者と交流するツアーを行っています。今回は私が大阪大学出身であるというご縁で、ベナンを訪問地に選んでくださいました。

1日の到着が深夜ということもあり、実質3日間しか時間がとれない状況でしたが、この3日間で、ダサズメ近郊のイゴホ村、ベテクク村を訪問し、いのうえ小学校では児童達に日本の遊びを紹介してくださいました。さらにウィダでは歴史博物館、奴隷海岸、コトヌーでは西アフリカ最大のダントッパマーケット、そしてたけし日本語学校の生徒との交流と、一般の観光旅行では考えられないほどの過密かつ濃密なツアーとなりました。

総移動距離は500kmを優に越えました。それに加え道路状況は思わしくなく、1日10時間以上バスに揺られた日もありました。時差もある中での長距離移動、疲れないわけがありませんが、それでも村の人々、小学校の児童、たけし日本語学校の生徒との交流の際には、その疲れを微塵も見せず、笑顔で、全力で交流している姿には、感銘を覚えました。

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お便り 114 - 2月後半

永田先生 編

2012年2月21日(火)雨季到来、亀は地道に山頂を目指す

亀最近、雨の日がだんだん増えてきて、「もう乾季も終わるんだな〜」と、気温差はなくとも季節の変わり目を感じ始めている、今日この頃です。

教室の横(軒下?)で飼われている、亀の浦島さん・・・。いったい浦島さんは何歳なのかわかりませんが、たけし日本語学校で迎えるのは、はじめての雨季。まだ、雨が降るたびに浦島さんは怯えております。

そんな彼の浸水対策が、これ(写真参照)。ひっくり返した小さな器の上に登って、首を長〜くするスタイル。夜、雨が降った翌朝は、よくこうしているか、諦めて水の中でプカプカ浮いております。

この写真を撮った直後、浦島さんは案の定恐がって、さっと器の上で頭と手を引っ込めて、ひきこもりました。浦島さんの存在を知っている生徒からは「これ、あげてください。」となんだかよく分からない食べ物を、エサとして頂いたり、気付けば小屋のなかに葉っぱが投入されていたり、どうやら可愛がってくれている生徒もいるみたいなので、みんなのためにも「よっ!」と積極的になってほしい、私の子ども的存在です。

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