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お便り 71 - 4月後半
藤波先生 編
2010年4月16日(金)日本人とカレーの関係
今日は珍しく電気ががんばりました。いつも通り短い停電はあるものの、すぐに復旧。午後はほとんど停電することなく乗り切りました。
金曜日は授業がない代わりに、週末の授業の準備に追われます。そんな時電気があるのは非常にありがたいです。おかげで仕事がはかどりました。
金曜日は、いつもご飯を作ってくれるベロちゃんが休みなので、私と山下先生でごはんを作ります。外食はほとんどしません。日本に比べて物価が安いとはいえ、やはりレストランで食事をするとかなりの金額を払わなければならないからです。今日の食事当番は山下先生。メニューは、肉なしカレーです。肉はとても高いので、ちょっと手が出ません。ですからいつもジャパンハウスのカレーは肉なしです。ちなみにカレールーは日本のものです。しかし、肉なしカレーってやっぱり何か物足りないんですよね。おいしいんだけど、妙にサラサラしていて物足りない。例えば肉じゃがも、肉がないとおいしくないですよね。当たり前ですが。やはりあの脂身は重要な役割を果たしているわけです。せめて油揚げでもあればもうすこし違うのかもしれませんが、さすがにベナンに油揚げはないですね・・・。
でもやはりカレーはカレーです。肉なしでもやっぱりカレーはおいしいです。日本人は(少なくとも私と山下先生は)一か月に一回はカレーを食べないと生きていけない人種のようです。
藤波
2010年4月17日(土)雨とWクラス
今日は朝から雨でした。土曜日の朝は、8時からはWクラスがあります。Wクラスは今年の1月に始まったばかりのクラスで、レベルは初級の初級です。
朝8時からのクラスに生徒が来るのか?とお思いになるかもしれませんが、ベナン人は早起きですから、そこは問題ありません。それに、土曜日の早朝は学校や会社、教会の用事もないので、意外と生徒が集まりやすい時間なのです。先生は眠いですが。
しかし、いくらベナン人が早起きでも、雨が降った日は出席率ががくんと落ちます。なぜなら交通手段がバイクだからです。それに町の至る所に水たまりもできるので、学校までたどり着くのが困難になります。今日、学校に来た生徒は7人でした。いつもこのクラスは20人以上の生徒が集まるので、今日は半分以下です。それでもこれは「7人も来た」と言うべきです。みんなびしょ濡れになりながら、学校まで来てくれたのです。こういう時は、本当に「ありがとうございます」という気持ちになります。びしょ濡れになりながら来てくれたからには、いつもよりもっといい授業をしますよ、という風にこちらも燃えてきます。というわけで、8時から11時までの3時間、はりきって授業をしました。来週は、今週来られなかった生徒のために、復習の時間を少し長めにとってあげようと思っています。
藤波
2010年4月19日(月)おかえり
最近、ベナンの空に私の好きな雲が戻りつつあります。大乾季まっただ中の2月3月あたりは、ベナンの空にあるのは入道雲(のような雲)ばかりです。個人的にはそういう空はあまり好きじゃないです。
しかし、最近徐々に私好みの雲が出てきました。ちぎってうすく伸ばした雲が時々見られるようになったのです。イメージとしては、日本の秋の空にあるような雲です。大乾季も終わり、そろそろ雨の季節に入ろうとしているようです。ベナンは一番暑い季節を終え、涼しい季節へと移ろうとしています。日本はこれから少しずつ暑くなっていきますから、正反対ということになります。早く、去年の8月、9月頃に見られた、鱗雲や腹筋雲が見られるといいなと思っています。
写真は去年の9月頃の空です。
藤波
2010年4月23日(金)偉大なる
「だしのきいた料理」というのはいいものですね。今日、日本から私の家族が送ってくれた味の素でチャーハンを作ってみました。厳密には味の素は「だし」ではないのかもしれませんが、でもそんなことはどうでもいいのです。とにかくおいしかった。それだけです。
藤波
2010年4月24日(土)天才日本語クラブ
たけし日本語学校の生徒兼先生であるトスさんの発案により、先々週からスタートした「天才日本語クラブ」。毎週土曜日の夜20時半から21時半まで、たけし日本語学校の教室で日本語の勉強や日本文化の紹介が行われます。その週に何をするかは、全てトスさんが決め、山下先生と私はその準備を手伝います。クラブは全てトスさんが仕切り、山下先生と私は教室の後ろで見ているだけです。まさに生徒主体のクラブということができます。このクラブの入会資格は、「たけし日本語学校の生徒であること」のみです。ですから、ひらがなやカタカナをやっと覚えたばかりの生徒から、敬語を上手に操れる生徒までが、ひとつの教室に集まるわけです。当然レベルは初級の生徒に合わせなければならなくなるので、残念ながら上のレベルの生徒は2回目以降、ほとんど来なくなってしまいました。というわけで、天才日本語クラブは初級日本語の授業のような感じになってしまいましたが、それでも初級の生徒にとって日本語に触れる機会が増えるのはとてもいいことです。
この天才日本語クラブには、3つのスローガンがあります。その3つとは「長生きします」「こつこつ努力します」「日本語が上手になります」です。これもトスさんが考えました。スローガンに「長生きします」が入っているというのがユニークだし、ただ「努力します」ではなく、「こつこつ努力します」にした所が非常におもしろい、と私は思っています。
このスローガンを毎回、出席者全員で唱和するのです。こんな風に・・・
トスさん「天才日本語クラブ!」
生徒全員「長生きします!」
トスさん「天才日本語クラブ!」
生徒全員「こつこつ努力します!」
トスさん「天才日本語クラブ!」
生徒全員「日本語が上手になります!」
いいでしょう?天才日本語クラブの今後の展開が楽しみです。
藤波
2010年4月25日(日)涼しい夜
昨日はほぼ一日中雨が降っていました。乾季も終わったようです。雨が降ると、決まって涼しくなります。昨夜は本当に久々に涼しいと感じる夜でした。気温はおそらく20度ちょっとという所でしょうか。寝苦しさがなく、非常に快適でした。また、涼しいと体の疲れ方が全然違うということに驚かされます。一日に5時間も6時間も立ちっぱなしで授業をすると、夜は本当に足が火照ってだるいのですが、涼しいとそれもそんなにひどくならないようです。
しかし、雨が降ると、涼しく快適な夜が過ごせるようになる一方で、別の問題も出てきます。それは、ジェフェリと蚊です。雨が降ったその日の教室は、ジェフェリと蚊だらけです。本当に雨が降った瞬間に出てくる、という感じで、その瞬発力には本当に驚かされます。しばらくは、昼間はジェフェリ、夜は蚊と闘わなければなりません。
藤波
2010年4月26日(月)今日のワイドショー
今日の晩ご飯の時、山下先生が日本のワイドショーネタを教えてくだしました。沢尻エリカ離婚のニュースです。久々に日本のワイドショーネタに触れたという感じがしました。
ジャパンハウスでテレビを見る時は、ベナンのテレビ局の番組か中東のアルジャジーラのニュース専門番組をよく見ます。ベナンのテレビ局の番組は、大体はベロちゃんの好みにより、歌(踊り)番組かドラマが多いです。山下先生と私がニュースを知るために見るのは、中東のアルジャジーラの英語放送が多いです。アルジャジーラと聞くと、イスラム系の衣装を着たキャスターがアラビア語でニュースを読む、というようなイメージがあるかもしれませんが(少なくとも私はそういうイメージでした・・)、英語放送はスーツ姿のお姉さんやお兄さんやおじさんが出てきて、当たり前ですがきれいな英語でニュースを読みます。アメリカのCNNや、イギリスのBBCのようなイメージです。
アルジャジーラは当然のことながら、中東地域や西アジアのニュースを多く流します。ですから、例えばイランの核開発だとか、アフガニスタンやパキスタンで自爆テロがあって何人が犠牲になりましたとか、ガザ地区の問題とか、イエメンに国際的なテロリストがいるとかそういったニュースが非常に多いです。おそらく私は、日本に帰るまでに中東地域の情勢にかなり詳しくなっていると思います(笑)。
とにかく、アルジャジーラから得ることのできるニュースは、お世辞にも楽しいものではありません。いつも若干沈んだ気分になります。じゃあ、見なければいいじゃないか、とお思いになるでしょうが、見てしまうのです。英語の勉強にもなるし、おそらく外のニュースも少しくらいは知っておきたいという気持ちがあるのだと思います。
そんなこんなで、日本のワイドショーのニュースは何となくほっとするようなニュースでした。アルジャジーラを見ていて知ることのできる日本のニュースは、首相が辞めましたとか、車のリコールの問題や、まぐろや捕鯨の問題と言った話題です。当たり前ですが、日本で今どんな歌が流行っているかとか、どんなお笑い芸人が人気があるとか、誰と誰が結婚したとか、そういうニュースは知ることができません。そういうニュースに飢えているというわけではないのですが、とにかく今日、そのニュースを聞いて何となくほっとしてしまいました。沢尻エリカさんには本当に申し訳ないのですが・・・。
藤波
2010年4月30日(金)灌漑工事
私が住んでいるコトヌーは、ベナンで一番大きい街です。そして、いろいろな問題を抱えています。その問題のひとつに、水の問題があります。飲み水も問題なのですが、それと同じくらいに雨水をどう処理するか、というのが大きな問題です。毎年雨季になると、町中に池のような水たまりができます。普通のバイクや車は通れないほどの水たまりができるところも多々ありますし、土地が低い所では床上浸水は当たり前です。その問題を解決するべく、町のあちこちで、道路の穴を埋める作業が行われています。ですが土の道に土を足すだけなので、結局は雨で土が流れてしまって、一時しのぎにしかなりません。
私がコピー屋に行く途中の道には、大きな池があります。そこは周りよりも土地が低いので自然と水が集まってきて池になったようです。ちなみに、以前書きましたが、そこはゼミジャン(バイクタクシー)の運転手のトイレになっていて、そこを通るたびに池から漂ってくるなんとも言えない匂いを楽しむことができます。
今日、いつものようにその池にかかっている橋を渡っていると、池の脇にショベルカーやダンプカーが数台並んでいるのが見えます。どうやら、池を拡張して、「水の逃げ場」を作ろうとしているようです。つまり、ジャパンハウス周辺の地域に降った雨は、全部そこに流れ込むようにしようというわけです。果たしてうまくいくのか・・・。これから雨季を迎えるにあたり、差しあたってこの地域の命運を左右する重要なプロジェクトになりそうです。
ちなみに、わたしがコピー屋からの帰り道に工事現場を覗いてみると、大型のショベルカーが一台、沼地にはまって動けなくなっていました。ちょっと先が思いやられます・・・。
写真は、その動けなくなったショベルカーです。
藤波
1 コメント
BARI
大吾、頑張っているね。実は今日若林がこのURLの存在を教えてくれたので早速アクセス。楽しく読ませてもらいました。ところで、4月23日の記事。俺に気を遣ったのか?と最初は思ったがそんな訳はないわな。それにしても感心した。何に感心したかというと、味の素をナントナク『だし』と思った点。そう、これの原点は紛れもない『だし』なのです。でもそんなことほとんどの人知らないでしょ。大吾も勿論そんな知識がないにも関わらずそれを「感じた」のはすごいと思う。きっとベナンの大地で人間として感性が磨かれているからでは、と思った俺は考え過ぎ?色々と厳しい環境だと思うけど、山下先生やベロちゃんとも仲良くやっているみたいだし、きっと彼らも相方が大吾で良かったと思っていることでしょう。生徒達とも心を通わせて充実した日々を送ってください。勝手に応援しています。