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NPO法人IFE

日本語教師の窓

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お便り 100 - 7月前半

笠井先生 編

2011年7月9日(土)空手教室

空手教室今日は近所の子どもと空手を習いに行ってきました(正確に言うと私は見ていただけだったのですが・・・)。

どうも近所の子どもたちは日本人はみんな空手ができると思っているらしく、『先生!空手!!』と言ってよくパンチとキックを繰り出してきます。

そして私の目の前に横一列に並んで、『教えてください!』というのです。

私は残念ながら武道は高校の授業で少し剣道を習ったくらいで、全く武道に縁の無い人生を送ってきました。もちろん空手の練習すら見たこともありません。

まさかアフリカのベナンで、こうして空手に触れることになるとは思ってもみませんでした。

大変失礼な話ですが、私の想像していた空手教室は私服で、エクササイズ感覚でやっているものだと思い込んでいました。

なので朝に子ども達が道着を着てやって来たときは、『あ、これは私が気軽に参加できるようなものではないな。本格的なものだな』と察しました。

空手教室は毎週土曜日と日曜日の朝、7時から9時まで行われています。

まず行ってみて驚いたのは、皆時間を守って集合しているということです(これも失礼な言い方・・・)。

ベナンでは個人だけでなく会議や国の行事なども遅れることがよくあると聞いていたので、この教室では「時間を守る」ということも教えているのだなと感心しました(遅刻した人は腕立て伏せをさせられていました)。

練習は瞑想に始まり、先生に礼、準備体操、筋肉トレーニング、型、組み手(空手では突き手というのでしょうか)と、先生の統率で整然と進められていきます。

ちなみに号令は日本語です(『止め!』とか『初め!』とか『1〜10』とか『正拳突き!』とか・・・)。

組み手では何の防具も付けずに組み合うので、お腹に打撃を受けた子はかなり痛がっていて、思わず目を背けそうなりました。

2時間、真剣で熱のこもった練習が続けられました。最後に先生にお願いして、みなさんの写真を撮らせて頂きました。

こんなに日本から遠い国で、こんなにも真剣に日本の武道に取り組んでくれる人たちがいるのだと知って、本当に胸が熱くなりました。

快く見学を許してくださった空手教室のみなさんに心から感謝したいです。

自分が日本人であることが誇らしかった朝のひと時でした。

笠井

2011年7月12日(火)新学期、新クラス開始

たけし日本語学校の新学期は7月11日より無事開始されました。

そして今日12日は新クラス、すなわち日本語を初めて勉強する新入生のクラスが開始されました。毎週火曜日と木曜日の夜7時から8時半に行われるクラスです。

このクラスのすごいところはその人数です。

たけし日本語学校の教室には18脚の机がありますが、そこへやって来たのは41名もの新入生。私達が生活しているジャパンハウスの居間の机やいすも運び出しますが足りません。

結局教室には全員入りきらず、教室の外にも机を置いて、立ち見席のようなものを作りました。

さあ、いよいよ授業開始です。

挨拶練習『こんばんは!』

あいさつを交わして、教師の自己紹介、スタッフ紹介、秘書の方によるオリエンテーションと進めていきます。そして次は授業の始めと終わりのあいさつの練習です。

たけし日本語学校では授業の始めには、『起立!』『礼!』『よろしくお願いします!』、授業の終わりには『起立!』『礼!』『ありがとうございました!』というあいさつをすることになっています。

「よろしくお願いします」「ありがとうございました」という長いフレーズに少し苦戦していたようですが、初めて体験するお辞儀が面白かったようで、楽しく取り組んでもらえたようです。

次は、一日の挨拶と「さようなら」を練習。そして初めてのひらがな、あ行の練習です。

発音を確認した後、「空書」といって手で空中に字を書きます。これでひらがなの丸みを帯びた線の感じ、「とめ」「はらい」「はね」などの各文字の特徴とバランスをつかみます。

教室風景そして次に紙に書く練習へ移るのですが、人数が多いので文字をチェックするのも一苦労です。

永田先生、秘書のボサさん、ダベデさんにもお願いして手分けしてチェックして回ります。

なんとか「あ」から「お」まで終了。初めて見た日本人、初めて話した日本語、初めて書いたひらがな、初めてしたお辞儀は、新入生のみなさんの心にどのような印象を残したでしょうか。

最後は覚えたての「終わりのあいさつ」と『さようなら』でお別れしました。

これからこの中のどれくらいの人が日本語を続けてくれるかはわかりません。でもゾマホンさんも、今日本で頑張っているベナンの留学生も、皆ここからスタートしたのです。この中からベナンと日本の架け橋となる人が現れることを願っています。

笠井

1 コメント

fuji

本日、ふとゾマホンさんの事を思い出し、検索してこのホームページを拝見する事ができました(^○^)アフリカは子供の頃から興味があったのですが、いまだ訪ねた事がありません(●^o^●)いつか旅行資金ができたらぜひベナンへ行ってみたいのですが、英語も理解できない私にフランス語はとても無理です。ぜひともこの日本語学校で勉強された方々が通訳として旅行者を助けて下されば本当にありがたく、ベナンがより身近な国と感じます。なにとぞ日本人の旅行者を助けて下さる方々をたくさん育ててくだされば幸いに存じます(●^o^●)

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