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チョコレート原料のお話
2月14日はバレンタインデーで、多くのチョコレートが販売されていた。ところで、チョコレートの原材料である「カカオ」の生産量が最も多い国は、どこかご存知だろうか。
カカオの生産量が最も多い国は、コートジボワールである。ガーナチョコレート(ロッテ)で有名になったガーナは、世界第2位の生産量であり、以下インドネシア、ナイジェリア、カメルーン、ブラジル・・・と続く。しかも、原産地が中南米であるにもかかわらず、世界の総生産量のうち7割がアフリカ諸国でつくられているという。今月は、チョコにまつわるお話を取り上げようと思う。
(1)チョコレートの歴史
カカオが発見されたのは紀元前2000年ごろであり、そのころは「神様の食べ物」と言われ、王侯・貴族などの身分の高い者しか口にできなかったといわれている。そのころのチョコレートは、固形ではなくカカオの実をすりつぶした飲み物で、バニラやスパイスなどをつけて飲んでいた。
スペインがラテンアメリカに進出して行ったころ、カカオをスペインに持ち帰ったことで、ヨーロッパに広がった。カカオの疲労回復の効用に非常に驚かされたようであった。ただ、当時のチョコレートは苦味のある飲みにくいものであり、より食べやすいチョコレートが後に開発される
1828年、オランダ人のヴアン・ホーテンは、苦味の原因であるカカオに含まれるココアバターの搾油技術を開発し、より口にしやすいチョコレートが生まれ、一般大衆の飲み物になった。また1876年には、スイス人のダニエル・ピーターがミルクチョコレートを開発し、いわゆる食べるチョコレートの原型が出来上がった。
(2)カカオについて
カカオといっても、日本人にはなじみがないが、いったいどんな植物なのだろうか。
カカオは中南米原産の植物で、南北緯度20度以内の南米、アフリカ、東南アジアの熱帯雨林気候地域で生育する。カカオの実はラグビーボールのような形をしており、実の中には、白いパルプのようなもに包まれたカカオ豆が、30~40粒入っている。
カカオ豆の効能は各所から注目されている。疲労回復にとどまらず、動脈硬化防止、がん予防、コレステロール値の低下、精神安定効果などが上げられている。健康が気になる方は、こちらのページをごらん頂きたい。
(3)カカオにかかわる問題
カカオ豆はコーヒー豆と同様に、価格変動の影響を受けやすい。そのため、ひとたび価格が下落してしまうと、生産者があまり利益を得られず、また価格が上昇しても、多国籍企業や中間業者などが利益の大部分を取ってしまい、生産者に利益が反映されず、取引や貿易の公正性が問題視されている。
また、児童労働などの問題も相変わらず残っているほか、最近では労働者の農薬中毒や、農薬による地下水や土壌の汚染も起こっている。