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高村外相がタンザニアを訪問
高村外務大臣は、1月4日から6日にかけてタンザニアを訪問した。日本の外務大臣がタンザニアを訪れたのは、今回で29年ぶり3回目。大統領、外務国際協力相らと会談を行ったほか、4日には日本の対アフリカ政策について言及し、約300億円の支援の実施と、今年5月に開催される第4回アフリカ開発会議(TICAD)の目標について述べた。
約300億円の支援は「人道危機・平和構築対策支援」と位置づけ、この一部を、昨年アフリカ諸国を襲った洪水や旱魃などへの対応や、タンザニア国内にいるコンゴ民主共和国やブルンジからの難民の状況を改善することに使われる。また、アフリカの「ブランドイメージを」明るいものとして定着させ、次のTICADを洞爺湖サミットにもつないでいく重要性にも触れた。
さらに高村外相は、日本が行うアフリカ援助は長期的な視野で行っていることを述べたほか、「人」に対する投資を重要視し、自立へ向けた自助努力を重んじるところに、日本の開発援助に対する考え方があることを強調した。
キクウェテ大統領との会談では、二国間関係にとどまらず、地域情勢や国際社会の課題に至るまで幅広い分野での意見交換を行い、タンザニアが日本の常任理事 国入りを一貫して支持しているほか、TICAD IVについても、キクウェテ大統領から改めて明確な参加意思が伝えられた。
さらに、選挙後に情勢が混乱しているケニアに関して、政治的解決が最も重要であり、中立の立場に立って進めているケニア各陣営との話し合いの現状説明がキ クウェテ大統領から行われた。高村大臣は、同大統領の仲介努力に敬意を表するとともに、日本としても支援する用意がある旨を述べた。
高村大臣はメンベ外務国際協力大臣とも会談を行い、貧困削減戦略支援無償による財政支援約6.3億円と、食料援助として約7.1億円のコメの供与に関する交換公文に署名した。前者の援助資金は、農業、インフラ、教育などの分野における貧困削減計画の財政支援に充てられる。