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お便り 37 - 12月前半
山下先生 編
12月1日(月)「ゾマホンさん、お気をつけて!」
今日はゾマホンさんが日本に帰る日。
今晩の飛行機だというのに夕方から買い物に連れて行ってもらい、夜ジャパンハウスに戻ってからも生徒を集めて学校の目的などを話しました(ほとんどフランス語なので私たちにはわかりませんでした)。今回も飛行機が出るぎりぎりの時間まで精力的に活動され、本当に頭が下がります。
夜11時半過ぎ、いよいよ空港の人に促され空港の中へ消えていきました。
12月2日(火)「チョコクロ」
皆さん、「チョコクロ」知ってますか? クロワッサンの中にチョコ(かたまり)が入っているアレ。甘いものが好きな私はとても大好きです(アレがわからない人は「サンマルクカフェ」を探して買ってみてください。焼きたてはとてもおいしいですよ)。
きのうゾマホンさんとガンヒのスーパーマーケットで買い物したときに、ベナンの「チョコクロ」が売っていたので買い求めました。
今朝、トースターで焼いて食べてみました。味はまあまあでしたがチョコのかたまりが小さく、甘いもの好きの私にはちょっと物足りませんでした。それでも日本の「チョコクロ」を思い出すことができて、少し幸せな気分でした♪
12月3日(水)「久しぶりの雨」
今朝久しぶりにまとまった雨が降りました。私はブログとは別に毎日日記をつけているのですが、その日記が確かなら、前回のまとまった雨は先月の10日まで さかのぼります。10月中旬はたびたび雨が降っていたことを考えると、おそらく10月末に小雨季は終わったようです。雨は2時間もしないうちに止みました が、おかげで少し涼しくなりました。
12月4日(木)「すいか」
気がつけば、もう12月。日本人であれば「もう12月か。今年1年早かったなあ」といいながら気ぜわしく働いている人が多いんでしょうけど、ベナンは人も雰囲気も相変わらずのーんびりですよ♪
私たちも年末という気がまったくしません。その理由はこの「暑さ」のせいでしょうか。私は今まで「暑い年末」というのを経験したことがありませんから、頭では「年末だ」とわかっていても体が「年末じゃないよ」といっているようで、頭と体のギャップを埋められないようです。
さらに暑いおかげで目の前には12月だというのに「すいか」が。せっかく頭が「年末だよ」といっているのを邪魔するように食後のデザートは「すいか」 これでは年末気分を味わえないのも無理はないか。
12月5日(金)「クリスマスコンサート」
先日、Rクラスのクアグさんがクリスマスコンサートに誘ってくれました。彼女はインターナショナルスクールの生徒で、その学校のコンサートということでし た。今日はそのコンサートの日。夕方5時からです。日ごろの行いが悪いのか、ジャパンハウスを出るときに雨が降り出しました。
これまでベナンでいろいろなイベントに参加した私たちは、ベナンのイベントは「2時間以上遅れて始まる」「内容が中途半端」ということを「学習」していたので、そのコンサートもあまり期待していませんでした。
会場のCCF(フランス文化センター)には5時少し前に到着。とても立派な建物で私たちは「御上(おのぼ)りさん」のように展示物や館内を見て歩きました。5時を回り私たちが会場を探しているとクアグさんに会うことができ、会場を案内してくれました。
驚いたことに、すでにコンサートは始まっていました。プログラムを見ると低学年から徐々に高学年の出し物に移るようでした。低学年の歌やバレエは不 ぞろいでしたがとてもかわいらしく、クアグさんの高学年の歌はとてもよかったです。何よりアフリカの歌を聞き慣れていた耳には、ギターで奏でられる曲やク リスマスソングが新鮮に聞こえました。やっぱり私たちは「ヨボ(白人)」なんだなあ。
とまれベナンに来て初めて「時間通りに始まり、時間通りに終わり」そして「内容に満足することのできる」イベントを見ることができました。クアグさん、ありがとう。
12月6日(土)「年末気分」
きのう降った雨のせいか、今日は久々に涼しい1日でした。きのう聞いたクリスマスソングのおかげで頭の中は完全に「年末モード」に。さらに体のほう もこの涼しさで「あれっ、やっぱり年末かな?」と思ってくれたようで、今日1日は何となく「年末気分」になることができました(今日はすいかを見ることも ありませんでした)。
今日は昼からRクラス。クアグさんに「ありがとう。とてもよかったよ」といいました。
涼しくなったのはよかったですが、ここ数日の雨で蚊とジェフリが増えたような気が… 足は長ズボンに靴下を履いているので問題ありませんが、腕と手は鬼頭先生も私も「ボコボコ」です。
12月7日(日)「手紙」
日本の友達から「きのうエアメールが届いた」というメールをもらいました。私が彼女にエアメールを出したのは10月17日のこと。はるばる1ヶ月以上かかって届いた手紙に彼女は喜んでくれたようですが、いくら日本とアフリカが遠いとはいえ、ちょっとひどいなあ。
ひどいといえば、私の船便の荷物。送ってから5ヶ月以上たつのでもう届くことはないと思いますが、ベナンの郵便の問題か、はたまた税関の問題か。中に野球のグローブとボールが入っていたことを思うと、ベナンで野球ができない悔しさが…
12月8日(月)「タバスキ」
今日は「タバスキ」というイスラムのお祭り?の日。キリスト教徒が多いベナンでも今日は祝日です。NHKのニュースでもイスラム教徒のメッカ巡礼が放送されていたので、よくわからないなりにも「ああ、これに関係しているんだ」と納得しました。
夜のMクラスが始まる前にLクラスのアキムさんが、今日みんなで食べるという「ごちそう」を差し入れてくれました。シチューのようなもので、肉もやわらかくておいしかったです。
今日のMクラスは時間になっても生徒が来ず、「私の教え方が悪くて生徒が授業をボイコットしたのかなあ」と不安になりました。30分ほどしてからエドモントさんが来たので、初めて「プライベートレッスン」をしました。結局今日のMクラスはエドモントさん1人だけでした。
12月9日(火)「タバスキ2」
今日の夜クラス(JKクラス)で、きのうのタバスキのことを聞きました。キリスト教徒もパーティーをする人が多く、
イスラムの人は飲酒しませんが、キリスト教の生徒は「たくさんお酒を飲みました」といってました。
「キリスト教徒がイスラムの祭日にパーティーをするなんて」と思いましたが、よくよく考えると仏教徒の私たち日本人がクリスマスパーティーをするのと同じことですね。
12月10日(水)「のーんびり」
朝テストを作ろうとパソコンに向かうと、目の前を通り過ぎる一匹の「ごきぶり」 足に大きなほこりを引きずって「のーんびり」歩いていました。 「のーんびり」歩くごきぶりを見ることもないので、じーっと見ていると部屋を出そうな気配だったので見て見ぬふりをしようと思ったら、急に進路をこちらに 変えたので慌てて「戦闘態勢」に。ほこりを引きずって「のーんびり」歩く姿は少しほほえましかったのですが、意を決して殺虫剤を噴射しました。大きなほこ りを引きずりながらもがく「ごきぶり」 気の毒でしたが、部屋中を歩き回り数分後にひっくり返ってしまいました。
12月11日(木)「呪い」
今日夕方の「会話クラス」でビデオを見たんですが、巻き戻そうとしたら様子が変。ビデオデッキの中から乾いた「シャカシャカ」という音が聞こえます。嫌な 予感がして慌ててストップ。中からビデオを取り出すと… テープがデッキの中でグシャグシャに絡まっていました。あーあ、また壊れた。思えば私たちがベナ ンに来てからいろいろなものが壊れました。鬼頭先生の変圧器、私の腕時計、パソコン、ジャパンハウスの延長コード、コピー機、DVDプレーヤー、教室の時 計、車、発電機、そしてビデオデッキ。約半年の間にこれだけ物が壊れるということを経験したことがない私は、「きっとジャパンハウスは呪われているんだ」 と密かに思っています。
12月12日(金)「ピザ」
今日は週1回の買い物の日。近所のスーパー「トルネード」で冷凍食品コーナーにある「冷凍ピザ」に目が行きました。箱にはおいしそうなピザの写真。しばら く食べてないなあと思い値段を見ると1650CFA(約330円)でした。1000CFA以上のものは日本円に換算するくせがついてしまった私は、そのピ ザの微妙な値段に頭の中で「買おうか、買うまいか」悩みつつしばらく見ていると、鬼頭先生も気になった様子。結局2人で1枚ずつ買いました。ちなみに鬼頭 先生のは違う種類で2250CFA(約440円)でした。
そのピザは今日の私の夕食になりました。さすがに1枚は大きいので、半分に切りトースターの中へ。頭の中でチーズが「ぐつぐつ」する姿を 期待して、トースターの前でその時が来るのを今か今かと待ちました。箱には(おそらく)「トースターで12分」というような表示があったので、8分を過ぎ た頃からその期待はさらに高まりました。
が、ピザはその期待に応えることなく10分を過ぎても15分を過ぎてもチーズが「ぐつぐつ」することはありませんでした。さすがに15分 を過ぎてトースターの扉を開けると、奥のほうのチーズはカチカチに固まり焦げていました。「あーあ、焼きすぎた」 あわててトースターからさらに移し、恐 る恐るかじりついてみると… 焦げたチーズとカチカチに焼けた生地の香ばしさが口の中に広がり、これはこれでおいしかったです。いい意味で「期待はずれ」 でした。残りの半分も少し「焼きすぎ」で食べようと思います。
12月13日(土)「無くしました? 亡くしました?」
今日の11時30分からは「補習クラス」で、このクラスは、鬼頭先生に一任しています。あとから鬼頭先生に聞いた話。
Lクラスのアキムさん、ナタさん、ルペさんはカンフーを習っていて大の仲良しです。最近ナタさんがクラスに姿を見せないので、鬼頭先生がアキムさんに「ナタさんはどうしましたか」と聞いたそうです。アキムさんは「ナタさんをなくしました」 話を聞くと最近姿が見えず、ナタさんの家族も彼がどうしているか知らないようでした。鬼頭先生は「無くしました」はたとえば私のもの、誰かのものの時に使い、「亡くしました」は人の時に使い、意味は「死んでいなくなります」ということを説明すると、アキムさんは「ナタさんは私のものです」と言ったそうです。
本当に仲がいいんだなあ…
ところで、ナタさんはどうしてしまったんだろう?
12月14日(日)「テスト」
今日からターム(学期)末のテストがスタートしました。その先陣を切ったのは10月にはじめたばかりのRクラス。2ヶ月でどれだけ日本語を「書ける」ようになったか、教えるほうもドキドキでした。後半1ヶ月は書くことを重視し、「ひらがな」「カタカナ」「単語」「短文」のテストをこれでもかと繰り返しました。
その成果があったのか、テストが簡単すぎたのか、採点の結果みんな出来がよくホッとしました。が、たった1人だけまったくできなかった生徒がいて、来学期はついてこれるか少し心配です。
学生時代、テストが嫌いだった私。テストを作る立場になってもやはり嫌いです。
でもみんながんばれ!
12月15日(月)「言うは易く、行なうは…」
今日は週1回のフランス語の授業。生徒は私、先生はMクラスのロジトさん、彼の仕事はフランス語の先生です。私は日本で独学でフランス語を3ヶ月ほ ど勉強しましたが(たった3ヶ月ですから「勉強」したとはいえませんが)、私の発音は相当ひどいようで、今は発音の練習をしています。
先生の発音をそのまま真似ているつもりですが、どうも違っているようでよく「ダメ出し」されます。聞いている本人はどこがどう違うのかわからず、戸惑うばかり。早くも挫折しそうです。
きのうのブログでみんなに「がんばれ!」といったばかりなのに…
言うは易く、行なうは難し。
でも、ここで挫折したら生徒たちに合わせる顔がない… 日本語教師の意地とプライドで「がんばります!」