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お便り 75 - 6月後半
藤波先生 編
2010年6月18日(金)ビンセントさんの招待
今日はJKLMクラスのビンセントさんが、私と山下先生を食事に招待してくれました。場所はジャパンハウスから車で10分程の距離にある、大衆食堂のような雰囲気のレストランです。近くに住んでいる人が昼ごはんを食べにくるようなレストランです。
メニューは、「アグン」です。アグンはヤムイモを臼と杵を使ってつき、餅のようにした食べ物です。それを野菜のソースなどにつけて食べます。私はこの料理が大好きです。餅のような食感で本当においしいのです。
食べる時は、皿にのっている熱々のアグンを手でちぎって、少しずつソースにつけながら食べます。あまりにおいしいので2人前食べてしまいました。やっぱり、現地の人が食べている料理が一番おいしいということを、こういうベナン料理を食べるために思います。
藤波
2010年6月19日(土)アムスさんおめでとう!
たけし日本語学校で一番上のクラスに在籍しているアムスさんが、文部科学省の奨学金留学生の試験に合格しました。
アムスさんは、今までに一度日本に留学した経験をもっています。その時は豆腐屋さんで豆腐作りを学んでベナンに帰国し、現在は自分の店で豆腐や豆乳を作って販売しています。
そのアムスさんに、1年ほど前から2度目の留学の話が来ていました。留学先は日本の自動車整備の専門学校です。豆腐と自動車整備は全然違う分野ですが、アムスさんの専門はもともと工学ですから、機械関係が本職なのです。
今まで1年以上にわたって、週4回、アムスさんの特別クラスをして、日本語力向上に取り組んできました、その成果が出て、アムスさんの日本語はメキメキ上達しています。もともと勤勉な上にセンスもあるので、上達が早いのです。
しかし、なかなか自動車専門学校の留学の話がまとまりません。ベナン人が日本に留学するのは本当に大変なことなので、なかなかそう簡単には決まらないのです。そこで、自分で留学のチャンスをつかむべく、文部科学省の奨学金制度に応募することにしました。合格すれば、文科省から奨学金をもらうことができ、さらに、自分が勉強したい分野の学部がある大学に、受け入れを要請することができます。試験を通過できるのはベナン国内で1名か2名という厳しさですが、ベナン国内にそんなに多くの応募があるわけではないので、私達もアムスさんも十分にチャンスがあると考えたのです。
そして、先日筆記試験と面接試験を受け、今日、結果が通知されました。
たけし日本語学校からも数名の生徒が応募しましたが、日本語力と、日本での勉強に対しての明確なヴィジョンという点において、アムスさんの右に出るものはいませんでした。
しかしながら、まだ文科省の試験に受かったというだけで、日本の大学に入れると決まったわけではありません。これからいくつかの大学に願書等を送り、受け入れを要請することになります。それらの要請が通って初めて、日本に行くことができるのです。
とはいえ、今までの努力が合格という形で実って、本当によかったと思います。アムスさんの日本に行きが一日も早く具体的な形で決まることを祈っています。
藤波
2010年6月21日(月)サッカー三昧
W杯が始まってから、毎日サッカー三昧です。時差も気にせず、W杯が見られるというのは幸せなことですね。地上波でサッカー放送が見られるのはまれなので、ここぞとばかりに毎日山下先生やダベデさん、イレネーさんと一緒にサッカーを見ています。
いつもテレビの主導権を握っているのは、ジャパンハウスで紅一点のベロちゃんです。基本的にジャパンハウスの男達はこのベロちゃんには逆らえません。ベロちゃんがお気に入りのドラマを見ている時は、皆がそれを見ることになります。しかし、W杯期間中はベロちゃんも少し寛容になるらしく、私達がドラマの時間にサッカーを見ていても黙って見逃してくれます。それも男達にとっては非常にありがたいことです。というわけで、W杯決勝の日まで、ジャパンハウスはサッカー漬けの日々になりそうです。
藤波
2010年6月22日(火)Japan Dayでソーラン節を踊りたい!
Japan Dayで、生徒とソーラン節を踊ろうと思っています。以前、ベナンで働いているJICAの隊員の皆さんが、日本文化紹介としてソーラン節を踊っているのを見て、魅せられてしまいました。ソーラン節といっても、オリジナルのものとは少し違って、「南中ソーラン節」とか「ロックソーラン節」とか言われている、少しアレンジされたものです。オリジナルよりも踊りが激しく、勢いがあります。それをJapan Dayでしたら、絶対におもしろいはず、と私は思っているのです。
というわけで、知り合いのJICA隊員の方に連絡をとり、今日その方に踊りの映像と音源をいただきました。先日のJapan Dayに向けての会議で、生徒の中でソーラン節をやってみたいという人が10人程いました。来週から、その生徒達と一緒に練習する予定です。その前に、まず私が踊りを覚えなければならないので、早速今日から練習を始めました。
実際にやってみると、想像以上に動きが激しく、一度踊ると息が切れるほどでした。この踊りの練習に果たして何人がついてこれるのか、そして踊りとして形になるのか、不安は尽きませんが、とにかくやれるだけやってみようと思っています。
藤波
2010年6月25日(金)市川先生、到着せず
今日の朝、新しくたけし日本語学校で先生として働かれる予定の市川あずみ先生が、ベナンに到着される、予定でした。
到着される予定でしたが、残念ながらカサブランカからの飛行機がキャンセルになり、到着は明日以降に持ち越しということになりました。飛行機が遅れることはよくありますが、キャンセルというのはそんなに頻繁に起こることではないので、ついていないとしか言いようがありません。また、明日以降に期待したいと思います。
藤波
2010年6月26日(土)今日も・・・
残念ながら、今日も市川先生は到着されませんでした。飛行機は来ましたが、今日の飛行機に乗ることができなかったようです。おそらく昨日キャンセルになった便の乗客を順番に運んでいるのでしょうが、これで到着がいつなのか、ちょっとわからなくなりました。モロッコで足止めをくっている先生のことがちょっと心配です。無事に、できるだけ早くベナンに来られるといいのですが・・・。
藤波
2010年6月27日(日)ようこそベナンへ
今日の早朝、市川先生がベナンに到着されました。一時はどうなるかと心配しましたが、よかったよかった。空港で初めてお会いした市川先生は、とってもきれいな方でした。私はもう一年たけし日本語学校で働かせていただくことになっているので、これから一年間、楽しく仕事ができそうです(笑)
市川先生到着後に、空港で簡単な歓迎のセレモニーをしました。市川先生を出迎えるためにかけつけてくれた生徒の皆さんと一緒に、ベナンと日本の国歌を歌い、生徒を代表してトスさんが歓迎のあいさつをしました。その後、車でジャパンハウスに向かいました。
午後からは、修了証書授与式がありました。たけし日本語学校で1年間日本語を勉強してきた生徒のみなさんに、修了証書が手渡されました。
子ども達にも小さい修了証書とノートをあげました。とても楽しい雰囲気の授与式でした。
修了証書授与式の後は、29日の早朝にベナンを発たれる山下先生のさよならパーティが開かれました。いつも通り段取りなどはほとんどありませんでしたが、段どりがなくても全く問題なくことが運ぶのがベナンのすごいところ。音楽がなければ自分達で歌い、その歌に合わせて踊ります。生徒からはボンバ(ベナンの民族衣装)や置物など、たくさんの贈り物が山下先生に手渡されました。途中、感極まった山下先生の目から涙が・・!いかに山下先生が生徒から愛されているかがよくわかるパーティでした。
藤波
2010年6月29日(火)山下先生、本当にお疲れ様でした。
今日の早朝、山下先生が2年間の任期を終え、日本へ向けて出発されました。山下先生は2008年7月から今日までの2年間、たけし日本語学校で教師として働かれました。
私は1年間、一緒に仕事をさせていただきましたが、本当にいろいろなことを教えていただきました。
私はいろいろとやりたいことや学校のシステムなどで変えたい所を、好き勝手に言っていましたが、それを黙って聞いて、いつも的確なアドバイスや意見を下さいました。
去年の10月から始めたビジネスコースは、ほとんどゼロからコースを作っていく作業でしたが、山下先生と一緒にこの仕事ができて、私は本当にたくさんのことを勉強することができました。本当に感謝しています。
また、山下先生は、マラリアや歯痛など、病気にも悩まされていましたが、それでも常に教壇に立ち続けました。そのあたりが、生徒に愛される所以かなと思います。
空港には、大勢の生徒が見送りに駆けつけてくれました。
山下先生がたけし日本語学校に残されたものは本当に大きいと思います。
本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
藤波