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「アフリカ語ってどんな言葉?」ということをよく耳にする。しかし、アフリカ語というのは存在しない。アフリカ地域にはひとつの言語ではなく、800~2000もの言語があると言われているが、学者によって定義が異なるため、はっきりとした数はわかっていない。ただ、アフリカ地域には一つの言語ではなく、非常に多くの言語があることは事実である。
ところで、日本にいて、日本語で、アフリカで使われている言語を、それも独学で勉強することはできるだろうか。英語や中国語ほどでの数は充実していないのが現状ではあるが、独学は可能である。日本語で解説されたアフリカの語学書が少なからずあり、大型書店で購入することができる。ここでは、現在市販されている独学できる教材の一部を紹介する。なお、ここで取り上げるアフリカの言葉は、サハラ以南のアフリカ(ブラックアフリカ)の言葉である。エジプトやチュニジアなどで話されているアラビア語をはじめとする北アフリカの言葉は含めないことにする。
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11月2日、大阪大学外国語学部(旧大阪外国語大学)で、スワヒリ語を専攻している学生有志らが、スワヒリ語による外国語劇を上演した。
題目は、「魔法にかけられて (Mti uliozungumza)」。呪術によって木に変えられた男性が、ある村の女性と結ばれるという東アフリカのお話である。歌や踊りを交え、東アフリカの民族衣装を身にまとって上演する様子は、アフリカの雰囲気をかもし出し、外国語劇ならではの異国情緒を感じさせてくれた。上演開始直後は字幕映像が作動しないトラブルに見舞われたものの、学生らが演じる物語は来場者を楽しませた。今回出演し代表を務めた土井真美さん(2年)は、「合宿を3回やって、語劇を通してメンバーと仲良くなれた。すごく楽しんでやれてよかった。」と、参加者の練習時間が合わないなか無事に劇が終了したことで、安堵の胸をなでおろしていた。また大内彩吏(さり)さん(2年)は、「字幕の失敗はみんなに申し訳なかったが、みんながんばっている姿がよかった。踊りも先輩方が教えてくれて楽しめた。」と語ってくれた。
ところで、毎年行われている外国語劇だが、来年度以降の開催が危ぶまれている。これは、大阪外大と阪大の統合によるところが大きい。ある学生は、語劇を行わなくてもよいのではないかということを大学関係者から言われたと話しており、一部の職員が外国語劇に対し積極的であるとは言いがたい。ここ数年、毎年継続してきたスワヒリ語劇だが、来年以降も見られるのか先行きは不明である。
(平成20年11月2日取材)
横浜・八景島シーパラダイスで、来年2月1日まで「アフリカ水族館~森をうるおす水辺と生き物~」が開催されている。このイベントは、「元気なアフリカを目指して」をテーマに今年5月に横浜で開催されたアフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)を記念して、明るく元気なアフリカを応援しようと開催されている。
会場では、アフリカ大陸の大河、グレートリフトバレー(大地溝帯)やマダガスカル島に生息する約50種の魚類、両生類、は虫類が展示されている。なかでもカメレオンやカエルの展示や解説が充実しており、会場にはカメレオンの行動を真剣に眺めていたり、展示ケースの隅に隠れている小さなカエルを探すのに夢中になっていたりする子供たちもいた。
また、マダガスカルの展示、解説にも力が入れられていた。マダガスカルは8千万年前からアフリカ大陸と分離し、大型の肉食獣がいなかったため、大陸とは異なる独自進化をとげた動物がたくさんいる。それに着目してか、アフリカ53ヶ国のなかでも唯一独立したゾーンで来場者の注目を得ていた。
展示場内全体はコンパクトにおさまっており、解説もわかりやすく、子供でもわかるように漢字に読み仮名も書かれていた。取材時は夏休み中ということもあって、子供連れの家族やカップルらでにぎわっており、初めて見る生きものに、様々な反応を示していた。アフリカといえば、ライオンやシマウマなどの大型哺乳類が有名だが、このアフリカ水族館は日本にいながら、あまり注目されることのないアフリカの水辺の小さな生きものを観察する絶好の機会である。近くの方は足をのばしてみてはいかがだろうか?
(8月21日取材)
大阪大学外国語学部(旧大阪外国語大学)で、6月28日(土)に夏まつりが開催された。外国語学部の前身である大阪外国語大学が統合され今年の開催が危ぶまれたが、大学職員や卒業生らの協力により、今年も例年と大きく変わることなく開催された。
25言語の専攻語がある外国語学部の夏まつりでは、外国料理の模擬店がたち、東アフリカのサンブサ(春巻のような三角形の揚げ物)や北アフリカのクスクスほか、デンマークやイランなど世界各国の料理を味わうことができるようになっていた。
3年前からは民族衣裳を披露する企画が組み込まれた。タイ語専攻はタイの民族衣裳を、ウルドゥー語専攻はパキスタンの衣裳をまとうなど、普段は見られない 民族衣裳が一度に見られ、多くの来場者の人気の企画となっている。日本で唯一のスワヒリ語(※1)専攻もこの企画に出場。スワヒリ語が話されてるケニア、 タンザニアなどの東アフリカの民族衣裳『カンガ』をまとい、ジェンベとよばれる木をくりぬいてヤギ皮を張った太鼓にあわせて踊りを交えて披露した。
また、西アフリカの音楽とダンスを行なうサークル『タリベ(TALIBE)』では、先述のジェンベをメインに用い演奏した。太鼓のカーンという音と全身で 躍動感のある踊りで大いに盛り上げ、中には踊りだす客もいた。タリベの演奏は大学祭の名物の一つになっており、立ち見の客が出るほどの盛況であった。
TICAD Ⅳが開催される横浜市で、様々なアフリカ関連のイベントが行われている。中区では5月10日、アフリカの声「ゾマホン、大いに語る!」という表題で講演会が行われた。横浜市開港記念会館で行われた今回の講演会では、主催した中区役所の職員がサポートを行ったほか、横浜市立みなと総合高校の学生らがアフリカの民族衣装を着て司会を務めるなど、国際化に関する学習の場として貴重な機会となった。「相手の国を知ろうとする気持ちを持って下さい」と力説したゾマホン氏。「私は高校生として何ができるのか。」という高校生の質問に対し、「アフリカの安全なところに行って下さい。また、アフリカに行こうと親にも言って下さい。」と、マスコミの情報に左右されず、自分の目で確かめる大切さを強調した。大人の来場者に対しても、教科書で扱うアフリカの内容を、欧米やアジアと同程度となるよう強く求めた。17~18日は赤レンガ倉庫で「アフリカンフェスタ2008」が行われるほか、23~25日には、中区主催の参加型のイベントが予定されている。
また、横浜市営地下鉄では「一駅一国」運動が5月中行われており、市営地下鉄全駅のコンコースにおいて、国旗、パネル、ポスターなどが掲示される。駅によっては、観光パンフレットなども無料で配られている。
4月4日~6日の3日間、横浜市赤れんが倉庫1号館で、アフリカンフェスティバルよこはまが開催された。アフリカンフェスティバルよこはま実行委員会が主催したこのイベントは、昨年に続いて2回目の開催。毎年5月に東京で行われているアフリカンフェスタとは違い、NGOブースはほとんど無く、また屋内施設での開催ではあったが、それ以外は大きな違いは無く、さながら民芸品や料理を売るアフリカ市のような感じであった。大使館ブースなどでは、アルジェリアなど北アフリカ諸国のブースの割合が比較的多く、北アフリカのイスラム的雰囲気がサハラ以南アフリカの独特の雰囲気に対してより際立っていた。
訪問した日は開催初日で、開始時刻が20分遅れるというトラブルもあったが、平日ということで混雑もひどくなく、出展者と対話する機会も多く持てた感じであった。来年の同時期に、3回目のフェスティバルが開催される予定。
開発途上国「一村一品」運動というのをご存じだろうか。この運動は、いわゆる開発途上国といわれる国々の地域住民が作る特産品を、世界の市場にも通用する競争力のある商品に仕上げる活動のことで、経済産業省が中心になってこの活動を支援している。2006年に始まった開発途上国「一村一品」キャンペーンで各種展示会を開催したほか、関西、成田、羽田の各空港に、展示・販売コーナーを設置している(羽田空港は08年3月まで)。
実際の展示・販売コーナーはどのような様子なのか、一村一品マーケット・関西空港店を訪ねた。この店は、ちょっとした民族学博物館のように品物を展示・販売している。アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、オセアニア諸国のアクセサリー、小物入れ、食料品などが並べられているほか、楽器、切手(未使用)、西アフリカ諸国のマスクなど、他の民芸品店ではみかけないものも取り揃えていた。各商品の値札には、価格以外に生産国とその国旗が併せて付けられていて、異国の雰囲気を醸し出すくふうがなされている。興味のある人なら、退屈することはないだろう。店員によると、空港利用者や従業員のみならず、大阪という土地柄もあってか、他店よりも安いものをまとめて買う中年女性が結構いるとのことである。
本来すでにこのプロジェクトは終了している予定だったが、今年はアフリカ開発会議(TICAD)が開催されることもあり、8月までは関西空港と成田空港の店舗が残されることが決まっている。近くに住む方は、一度足を運んでみてはいかがだろうか。
(現地取材、2008年3月17日、写真撮影2008年3月23日)