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NPO法人IFE

日本語教師の窓

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お便り 21

成田先生 編

そと側

「みんなの日本語29課」の新出単語 “そと側”
この単語を使って文を作ってもらった。

(シルビーさん)
「先生のバックの外側にポケットがついています」

(私)
「はい!とてもいいです!!」

(コジョさん)
「りんごの外側は赤色です!」

(みんな)
「いいえ~ 青色です!」
「いいえ~ 赤色です!」
「いいえ~青いほうが多いです!」

(ちなみに ベナンでは青いりんごをよく見かけます)
ワイワイ** ガヤガヤ***

(私)
「日本にも赤いのと青いりんごがあります」

(みんな)
「では ベナンも同じですね♪」

(私 心の中で)
あ~ うまくおさまった(^^)ホッ☆

最後に

(アダンジェポさん)
「先生の 外側は黄色です~♪」

みんな爆笑!!

私も「そっか 私って黄色なんだ~」と 改めて確認(笑)

(私)
「とてもいい文です(^^)」

きっと みんなの頭の中には “外側”が ちゃんと記憶されたはず♪♪

アルバイト

Bクラスでは 「ゾマホンの本」を 簡単な日本語にして 少しずつ読んでいる。

今日は 「お昼ごはんの裏技」

おこづかいをもらうことができない時は お腹がすいても 水しか飲みませんでした。お昼ごはんの時 お金がなかったら 駅に行って アルバイトをします。電車のお客さんの荷物を 頭の上にのせて 運びます。そして チップをもらいます。運がよかったら 50 CFAもらうことができます。 重い荷物を 頭の上にのせますから かみの毛が どんどん うすくなりますがこれをすると お昼ごはんを 食べることができます。ベナンの子供は 小学校3年生くらいになったら 働きます。自分でお金を稼ぎます。「人生は甘くない!」

ゾマホンの本」より

新しい言葉を少し説明しただけで みんな 大体の内容はわかってくれた。

「みなさんも 子供のとき アルバイトをしましたか?」と質問したら、

コジョさんが 「はい、私もバセ(頭の上に物を載せて売ること)をしました! でも今は もう髪の毛は 生えてきましたよ~。」と頭のてっぺんを見せてくれた(笑)

Bクラスでゾマホンの本を読むコジョさんは 「バス停で バセをしていて、100 CFA(20円)もらったら 1週間食べることができました。」と教えてくれた。

聞くと ほとんどの学習者が バセをしたことがあります。という答えだった。

その時は きっととても大変だったと思うけど 今は 自分の子供時代をふりかえるように なつかしそうな顔で話してくれた。

コジョさんとポヌさんが 「先生 人生はほんとうに甘くないです」と、、。

いつも明るく愉快なみんなの中に強さを感じた。。。

アゴスさん

今日は みんなの日本語30課の宿題で 『自分の部屋を説明する』を 前で発表してもらった。

黒板に自分の部屋の見取り図を書きながら説明してくれる人もいた♪

みんなお互いの部屋に興味深々で質問もたくさん☆

なかには

「どうして ベットがその位置なの? こちらのほうがいいんじゃない?」とか
「どうして 1人なのにダブルベットなの?」とか 「鏡がないのはおかしい」とか
質問されたほうも 「ん~… どうしてダブルサイズなんだろう・・・。」 となってしまう(笑)

そして 最後の発表は アゴスさん。

アゴスさんはとても 控えめな人で いつも後ろのほうに座って 授業を受けている。
でも 今日のアゴスさんは ちがった・・。

ひと通り 自分の部屋を説明してくれたので
私が「はい、アゴスさん とても良かったです!ありがとうございました」と言ったら

アゴスさんが「いいえ まだ 終わりません」と。

私も「あっ すみません」 となって アゴスさんの部屋の説明が続いた。

「本棚に本がならべてあります。/壁に写真が掛けてあります。/机の上に・・」(止まらない~。)

え~ アゴスさんって こんなに話す人だったんだ。 もうすぐ クラスを始めて1年経とうとしてるのに 全然知らなかった・・。

いつも 意見を聞いても あまり反応が返ってこなかったけど こういう事は得意だったんだ・・!
この時期になって 気づいたことに反省・・。

今日は アゴスさんの顔が とてもはつらつとして見えた。

ひとりひとりを もっと見てこなければいけなかったな・・。

「黒人がアパートを借りること」

授業の終わりに 「ゾマホンの本」から抜粋して みんなで少し読んだ。

今日は「黒人がアパートを借りること」

ゾマホンさんが 日本に来てアパートを借りるとき アフリカ人だからという理由で なかなアパートを貸してもらえなかった という内容。

少し残念な話しなので 私もあまり取り上げたくなかったけれど、実際にこういうことがあって ゾマホンさんはこう感じたと言うのを知ることは大切だと思って、読むことにした。

みんなの反応は「なぜ? 理由がわかりません・・? どうしてアフリカはダメですか?」

私は 今では すっかりベナンでの生活を楽しんでいるけれど ここに来る前は アフリカのイメージは “ 病気がたくさん” “貧しい人がたくさん” “治安が悪い”だった。。

なぜ こんなイメージが自分の中にできあがったんだろう・・。

みんなに
「私もここに来る前は アフリカのイメージは このようでした。でも ベナンに来てみて それが間違いだったことが わかりました。」
と話したら、 みんな少し残念そうだったが、生徒代表のコジョさんが
「ですから 先生は日本に帰ったら ここ(ベナン)のことを 友達や日本人に話してください。それを聞いたら 本当のことがわかります。そして 日本人がたくさんベナンに来ます! 私たちは たくさん友達になります☆」
って言ってくれた。

私も そう思う。ここ(ベナン)に来る前の私のようなイメージを持っている人に ぜひ ベナンに来て欲しい。 そして実際にみんなと接して よき友人となってほしい。

おかげさま

ジャパンハウスで大切にしていることば『おかげさま』。

ゾマホンさんも この言葉が大好き。

ここの学習者のみなさんは 「おげんきですか?」と尋ねると かならず「はい おかげさまで とても元気です!」と応えてくれる。

今日はKクラスで 「おかげで」の文を作った。

「ゾマホンさんの おかげで 私たちは日本語を勉強します☆」

「先生たちの おかげで 」「IFEのおかげで」 「日本人のおかげで」 「家族のおかげで」「かみさまのおかげで」 などなど たくさん感謝の文を作ってくれた。

やっぱり いい言葉だな♪

フォン語で「おかげで」を教えてもらった。

「ミウツ ンド ガンジガンジ」(みなさんのおかげで 私は とても元気です!)

いつも 自分の周りの人たちに 感謝しながら生きていきたい。。。

日本人っぽい

私がパスポート再発行のために ガーナに行っている間 成田さんにクラスをお願いした。

みんなも とても喜んでいた。

ガーナから帰ってきて Kクラスで漢字の復習をした。

成田さんにお願いしてあったプリントを少し復習しながら いつものペースでやっていたら

ダミさんが「先生 速いです。成田先生はもっと ゆっくりしました。」と。

私も「えっ すみません。そうですか・・ じゃ もっとゆっくりします・・」

とは言ったものの 今まで面と向かって そういうことを言われたことがなくて 少しドキッとした。

私のそれ以上に なんだか周りのみんなのほうが 気を使っているような気まずい空気が・・・(笑)

ゲデメさん(みんなのお母さん)は 「そんなこと言っちゃダメ!」って小声で注意してくれてるし、ガンセウンさんは 私に「先生 速くないです、大丈夫です!」って言ってくれるし。。。

なんだか それがまた申し訳なくて…。

でも この気の使い方 なんだか日本人みたい♪

こういうことって なかなか言ってくれる人はいない。。

「これでいい!」なんて思ってちゃダメだな と反省した。

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