本文へジャンプする

NPO法人IFE

日本語教師の窓

Published on

お便り 42 - 2月前半

山下先生 編

2月1日(日)「ホテル ルワンダ」

今日もいつもの日曜日同様、朝から夜までクラスが続き、最後のOPクラスが終わった後はくたくた。夕食を食べた後リビングでボーッとNHKを見ていまし た。気がつけば午前0時少し前。疲れていたので普通であれば「もう寝るか」というところですが、どういうわけか今日は「まだ寝たくない!」と思いDVDを 物色し始めました。そのとき目に付いたのが「ホテル ルワンダ」でした。このDVDは前任の成田先生が帰国する前に鬼頭先生、私の3人で見たことがあり、 とても印象に残っていました。

この映画はアフリカ中東部の内陸国ルワンダで1994年に起きた内戦を舞台に、ホテルの支配人の男性が家族や多くの人々を救ったというス トーリー。この映画がルワンダ内戦をどれだけ正確に描いているかはわかりませんが、アフリカにおける部族間の問題については考えさせられました。興味があ る方は是非見てみてください。

この映画をアフリカで見ると本当にリアリティーが感じられます。それと同時にここは何て平和なんだろう、とも思いました。

2月2日(月)「どうした?NHK」

毎朝9時のNHKのBSニュース(日本語で放送)に合わせて朝食を食べるのですが、今日は9時になっても日本語が聞こえてきません。「おやっ?」と思い画面をよーく見ると以前8時45分から放送していた「NHKNEWSLINE(英語で放送)」をしています。しかもスタジオの雰囲気もがらっと変わっているではありませんか。番組改編で別の時間に日本語のニュースが移ったんだろうと思っていました。が、ほかの時間帯を見ても日本語のニュースがありませんでした(少なくとも私が起きている時間帯には)。

英語の聞き取りが得意でない私にとって、英語のニュースは苦痛であるのはもちろんのこと、NEWSLINEが国際的なニュースが中心なのに比べて、BSニュースは日本国内の情報を中心に流してくれていたのでとても助かっていました。それなのに…

日本から遠く離れ、インターネットもつながりにくい海外に住む私はこれまでNHKで日本の情報が得られることで(毎日「不況だ、不景気だ」と聞いていても)安心していたのですが、これからどうしたらいいのでしょうか。フランス語圏のこの国でNHKは私に「もう一度英語の勉強をし直したらどう?」とでも言いたいのでしょうか。果たして海外で生活する日本人で英語が苦手なのは私だけなのでしょうか。そうだとすれば「もう一度英語の勉強をし直そうか」と思うことができるのですが…

2月3日(火)「節分」

日本は今日「節分の日」ですね。私たちの学校は今日から「節分ウイーク」生徒たちに日本の文化を紹介できるいい機会です。ベナンにも当然豆はあります。きのう秘書のベロちゃんに頼んで買ってきてもらいました。

最初は鬼頭先生担当のQクラス。まだ日本語の勉強を始めて日が浅いので鬼頭先生は少し心配していたようですが、節分を簡単に説明して生徒全員に彼らのイメージする鬼の絵を描いてもらったらおもしろい絵が描けました。みんなのボルテージも高まりいよいよ豆まき。鬼はダベデさんとフィルメンさん。みんなで「鬼は外!」思いっきり豆をぶつけていました。

節分 A~Iクラス節分 Lクラス節分 Mクラス節分 Qクラス節分 Rクラス節分 Qクラス 鬼の絵

私が担当する夜クラス(JKクラス)でも豆まきをしました。鬼は最近少し元気がないボコさん。自分で立候補しました。このクラスも盛り上がり「鬼は外!福は内!」豆まきが終わった後なぜか急に元気になったボコさん。彼の中にあった悪いものが全部外に出たんでしょうか。

2月4日(水)「夕日」

以前このブログで「ベナンの夕日は美しい」と書きました。確かに美しいんですが、なぜかいつも地平線に沈む前に雲の中に消えてしまうんです。「不思議だなあ」と思っていたんですが、今日、初めて(私にとってです)地平線に沈む夕日を見ることができました。今日の夜クラス(Mクラス)が始まる前に鬼頭先生とMクラスの生徒数人でジャパンハウスの屋上から眺めました。もう二度と見ることができないかもしれないと思い、写真に収めてみました。相変わらずカメラとカメラマンがよくないのであまりいい写真ではありませんが、皆さんに雰囲気だけでも伝わればと思います。

2月5日(木)「雨」

今朝部屋できのうの日記を書いていると10時過ぎ外で「ポツッ,ポツッ」という音。本当に久しぶりに聞く雨の音です。以前ブログで書きましたが、私の日記が確かなら(私が寝てしまったあとはもちろんわかりませんが)12月6日の明け方以来の雨、ちょうど2ヶ月ぶりです。本当にこの時期「大乾季(アルマタン)」の言葉がぴったりです。この雨は10分ほどで止みましたが、11時過ぎに再び雨。しかし、この雨も15分ほどで止んでしまいました。果たしてこの雨、アルマタンの終わりを告げる雨なんでしょうか。

2月6日(金)「青い空と青い風」

きのうは1日曇り空でしたが、今日は一転ほぼ1日青空が広がりました。買い物へ行く途中、車やバイクの排気ガスのひどさは相変わらずでしたが吹く風は心地よく、どうやら今日の風は内陸からではなく海からのようです。

私にとってアルマタンのときの「風」は茶色、今日の「風」は青。目には見えませんが、私の心の中で「青い風」を見ることができました。久々の「青い風」で、すがすがしい気持ちになることができました。

2月7日(土)「才能あるかも」

今朝、屋上で佇んでいたら下から子供たちが「キャッチボール」のジェスチャーをするので、部屋に戻りグローブとボールを持って外へ。子供クラスで顔なじみのオヘルとフランコと彼らの友達2人が交代で私の相手をしました。その友達の中の1人、名前はわかりませんがその子がグローブを反対の手にはめようとするので、オヘルにグローブのはめ方を教えるように言いました。そんな感じの子だったので「大丈夫かなあ」と心配したんですが、グラブ捌きについては何も教えていないのに基本に近い形でボールをキャッチします。私に投げ返すときもよくコントロールされた速球を投げ込んできます。一方の私は砂の上にサンダル履きの安定していない状態で投げるボールは「あっちいったり、こっちいったり」これだけコントロール良く速球を投げられれば、将来ピッチャーになれるんじゃないかと密かに期待しています。

2月8日(日)「ココさん、すごいね!」

今日の15時半〜18時半は鬼頭先生担当のA〜Iクラス。私たちの学校で一番上のクラスです。そのクラスの漢字テストの答え合わせの時のこと。「…先生にほめられました」の「ほめられました」は漢字で書かなくてもいいと鬼頭先生は言いましたが、そのときこの学校で一番長い時間日本語の勉強を頑張っている旧Aクラスのココさんが立ち上がって黒板に「褒める」と「誉める」を書きました。ちなみに日本人の私は「誉める」しかわかりませんでした…わからなかったので休み時間に辞書を見たのですが、両方の漢字とも正解でした。

クラスでも一目置かれ、みんなから「漢字博士」と言われているココさん。忙しいはずなのにいつ勉強しているの?

2月9日(月)「生徒の立場に立ってみると…」

今日も18時からMクラスのロジトさんのフランス語講座。先週やっと発音から開放され単語をいくつか勉強しました。1日2つ新しい単語を覚えればいいだけなんですが、それができないんだなあー。授業の最初に単語を覚えているかチェックされたんですが、結果は惨憺たるもの。正解率は約70%。ロジト先生、出来の悪い生徒でゴメンなさい。

鬼頭先生が授業中生徒たちに「漢字は毎日勉強します!」というのを聞くと私も耳が痛いです。生徒たちもみんな頑張っているんだろうなあ。

2月10日(火)「大掃除」

今日は朝から大掃除♪ベナンに来て初めて蚊帳を洗いました。洗った後の水は真っ黒け。こんな汚い蚊帳の中で寝ていたなんて…と少しショック。

窓ガラス(外側)はフィルメンさんがきれいにしてくれました。が、私たちの部屋の窓ガラスは完全に閉まりません。そこに思いっきり水をぶっかけるので、隙間から水が入ってきました。汚い水が私にかかり、慌ててフィルメンさんに「ちょ、ちょっと待って!」

部屋の床と窓ガラス(内側)はベロちゃんが掃除してくれました。アルマタンのときの埃を多く含んだ風と、昨年末から約1ヵ月半横着して部屋の掃除をしなかったのとで、部屋の中は埃がいっぱい。こんな部屋の中に住んでいたと思うとまたショックでした。

掃除が終わりきれいになった部屋の中にいると、とても気持ちがいいですね。皆さんは部屋の掃除ちゃんとしていますか。

2月11日(水)「魚のマーケットへ」

珍しい魚今朝突然ドライバーのフィルメンさんから「先生、魚のマーケットへ行きますよ」と言われ、訳がわからないまま私たちと秘書のベロちゃん、フィルメンさんの4人でそのマーケットへ行きました。場所は私たちが毎週買い物に行くガンヒという町の近くでした。漁港と一緒になっているそのマーケットに魚の姿はあまり見られませんでしたが、カラフルな漁船を見たり珍しい魚を見たり散歩したりしてとてもよい気分転換になりました。あたりをブラブラ歩いているときに仕事をしている日本人を見つけましたが、声はかけませんでした。

その後魚を見ているときにその日本人の方(JICAの方でした)に会うことができ少しだけお話させていただきました。今日は午後からクラスがありあまりゆっくりできませんでしたが、とても楽しいひとときを過ごすことができました。

カラフルな漁船とびうおです

2月12日(木)「父の命日」

私事で恐縮ですが、今日は私の父の命日です。父は長いこと大病を患っていました。5年前の今日、私は会社で仕事をしていましたが、母からいよいよ危ないという電話を受け、会社の人に事情を話し、大急ぎで車を走らせ父の病院へ向かいました。私以外の家族はすでに父の周りで父の様子を見守っていました。私が着いてすぐ、父は息を引き取りました。私は今でも、「父は私を待っていてくれたんだ」と信じています。

そんな父は生前私に「人生一寸先は闇、できるときにやりたい事をやりなさい」ということを言っていました。40歳後半で病気になった父ならではの言葉でした。その言葉のお陰で10年勤めた会社を辞め、今この地で日本語教師をしています。

今朝は父の写真と一緒に散歩に出かけました。いつもよりゆっくり歩き、少し遠くまで歩きました。父もアフリカの様子が少しはわかってくれたかな。

2月13日(金)「ベナンの女性は逞(たくま)しい」

最近近所の子供たちとキャッチボールやサッカーをする機会が多くなり、今まではサンダルで遊んでいたんですが、地面が砂で足を取られたり先日は足の皮がむけたりしたので靴を買うことにしました。

今日は買い物の日。靴はいつも行くガンヒという街の近くにあるミセボという街で買うことに。品揃えが多い店に入り、早速気に入った靴が見つかり、さて値段交渉へ。店側は最初25,000CFA(日本円で約5,000円)と紙に書いてきました。さすがに高いな、と思ったんですが、相場がわからず一緒に買い物に来てくれた秘書のベロちゃんの妹に値段を聞くと3,000(約600円)といいます。私は3,000では安すぎると思い「10,000(約2,000円)ぐらいじゃないの」といっても「3,000だ」と言い張ります。そこで紙に3,000を書くと、店側は値段を10,000にしてきました。私は手を打とうと思ったんですが、ベロちゃん妹は「だめ」といい、私は途方に暮れてしまいました。そのうちなぜか外で口げんかが始まり私は5,000CFA(約1,000円)で買うことにしました。その間もベロちゃん妹は店側の男たちと闘っていました。彼女はベロちゃんと違いとても小柄なんですが、店の大柄の男たち数人を相手にやりあう姿を見て「ベナンの女性は逞しい」と改めて思いました。

2月14日(土)「キャッチボール」

今日16時半にRクラスを終え教室を出るとテラスにLクラスのアキムさんとルペさんの姿が。以前アキムさんが「野球がしたい」といっていたので「野球する?」と聞くと「する!」という返事。次のクラスまでは時間があったので部屋からグローブとボールを持ち出し3人でキャッチボール。残念ながらグローブは2つしかなく、私が入らなくても大丈夫そうだったので2人でやらせてみました。彼らはスポーツマンですが、やはりグローブを使って取ることは難しそう。グローブの使い方を教えましたがなかなか上手にできませんでした。

ベナンで人気があるサッカーやバスケットボール、ハンドボール、バレーボールに比べ野球のルールは複雑。キャッチボールができてもその後のことを考えると時間がかかりそうです。

2月15日(日)「国歌」

きのうのRクラスの後、何人かの生徒から「日本の歌を教えて欲しい」という声があり、やはり最初に教えるのは「国歌」かなあ、と思い「君が代」を教えることにしました。「君が代」については日本のみなさんもいろいろ思うところがあることでしょう。が、今日本の「国歌」といえるのはこの「君が代」だけですから…「日本は国歌がありません」とも言えないですし…

という訳で今日のRクラス、終了前20分を使いみんなで「君が代」歌いました。歌ってみるとシンプルですね。生徒たちには歌の意味は難しいですが、曲が短いので歌いやすそうでした。ちなみにベナンの国歌は2つ。現地語で歌われるものと、フランス語で歌われるものがあり、それぞれ曲が違います。主に歌われるのはフランス語のもの。曲が長すぎて私はいまだに歌うことができません。

コメントする

※管理者が承認したコメントのみ表示されます。

コメント投稿フォーム

« 前の記事 | 次の記事 »

ページトップへ戻る

サイトマップ