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NPO法人IFE

日本語教師の窓

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お便り 99 - 6月後半

藤波先生 編

2011年6月17日(金)パーティー

初級2火木パーティ今日は初級2火木クラスの皆さんがディナーパーティーを開いてくれました。生徒の奥さんが作った料理を教室に持ち込み、テーブルを並べ、飲み物も準備して、本当に立派なパーティーでした。

今日のメニューはアブロ(米粉で作ったパンケーキ)、テリボ(ヤムいもの粉末をお湯で溶かし、練り上げたもの)とフェビ(野菜のソース)でした。飲み物はチュクトゥ(炭酸が入っていない、粟から作られたのビール)でした。全部、ベナン料理です。全部、おいしくいただきました。

このクラスはたけし日本語学校で一番、モチベーションが高いクラスです。授業中に多少難易度の高いタスクを与えても、彼等はかならず応えてくれます。よりチャレンジングな授業ができるので、授業をしていて本当に楽しいクラスでした。彼らのような生徒に日本語を教えられたことはほんとうに幸運なことだったと思います。

彼らがこの先、どれだけ日本語を続けて行くのかはわかりません。しかしながら、この中の誰かとは将来日本で会うような気がします。

藤波

2011年6月18日(土)再テスト

今日は朝から再テストラッシュでした。土曜日のクラスは先週でテストが終了していたのですが、点数が悪かった人は今週が再テストだったのです。

再テスト1組目は朝の8時半からスタートしました。テストが終わったらその場ですぐに採点をして、悪ければ面談をします。その面談はやっぱり少しこじれます。あまりにもテスト範囲の内容を理解できていない生徒に対しては、残念ながら下のクラスに移るよう指示します。しかし、「移りたくない」と駄々をこねる生徒、ひたすら言い訳を並べる生徒など、とにかく交渉は難航し、1組目が終わったときにはもう12時を回っていました。

夕方からは、珍しく近所の飲み屋に行って元たけし日本語学校の生徒とお酒を飲みました。その人は、少し前までたけし日本語学校の生徒でしたが、いろいろな事情があって学校に来ることができなくなってしまった人です。彼は本当に熱心な生徒で、私は彼が学校をやめなければならなくなったとき、本当に残念に思いました。彼は今も日本語の勉強を続けていました。むしろ前よりも日本語が上手になっていました。とてもうれしかったです。

たけし日本語学校には本当にいろいろな生徒がいます(いました)。今年1年間、市川先生と私は、頑張っている生徒が馬鹿をみないようにしようと思って、やってきました。ですから、最低限のことをしない人に対しては厳しく指導してきました。おそらくその方向性は間違っていなかったのではないかなと思っています。

藤波

2011年6月20日(月)片付け

あと4日で新しい先生がベナンに到着します。そして、あと1週間で私はベナンを離れます。何とも信じがたいことですが、どうやら事実のようです。

週末から本格的に片付けと荷造りを始めました。2年間書いた教材用の絵はほとんど燃やしました。持って帰るものと置いてくものを仕分けして、スーツケースに詰めました。なかなか大変な作業ですが、ここまでしてもまだ、帰るという実感がわきません。何はともあれ、あと1週間です。

藤波

2011年6月24日(金)永田先生、笠井先生到着

笠井先生と永田先生到着今朝5時半到着の飛行機で、永田先生と笠井先生がベナンに到着されました。朝早かったのにも関わらず、何人かの生徒が空港まで出迎えに来てくれました。

これからは、このお二人が新しいたけし日本語学校を作っていってくださいます。その準備のために、これから数日間は引き継ぎ三昧の日々が待っています。

藤波

2011年6月25日(土)修了証書授与式

修了証書授与式1今日の2時から修了証書授与式が行われました。会場はもちろん、たけし日本語学校です。今年1年間で修了試験に合格し、きちんと授業に出席した生徒に、修了証書を手渡しました。自分がずっと教えてきた生徒に修了証書を手渡す瞬間というのは、本当にいいものです。

式の後は、市川先生と私のために、生徒達がさよならパーティを催してくれました。各クラスの生徒から布や置物、アクセサリーなどの贈り物、メッセージ、スピーチなどをいただきました。どれもこれも本当に気持ちが込もったものでした。本当にありがたいことです。どのプレゼントもうれしいのですが、やはり日本語教師である以上、日本語で書かれたメッセージをもらうのが一番うれしいです。間違いをみつけるとついつい、「この表現はこの前教えたばかりなのに・・・」などと思ってしまいますが、とにかくうれしいものです。

修了証書授与式2最後はみんなと写真をとって終わりました。次々に飛んでくる記念撮影の依頼に、ちょっとした有名人になった気分でした。

生徒の皆さんにさよならを言いながら、何となく2年前の自分とは少し考え方が変わっている自分に気がつきました。2年前は「この人達のために何かをしてあげたい」というような気持ちでしたが、今は「この人達と一緒に何かをしたい(作りたい)」という気持ちです。私のたけし日本語学校での教師の仕事はこれで終わりですが、今後は日本で、ベナン人の皆さんと何かを作っていけるような、これからも何かが続いて行きそうな、そんな気がした1日でした。

藤波

2011年6月27日(月)お世話になりました。

明日の早朝、5時半の飛行機で、私と市川先生はベナンを後にします。私は2年間、市川先生は1年間、このベナンに滞在しました。今日は私達の最後のお便りです。

全員集合

私にとってこの2年間は、貴重な出会いの連続でした。日本のIFEスタッフの皆さん、ゾマホンさン、1年目に一緒に仕事をさせていただいた山下先生、2年目に一緒に仕事をさせていただいた市川先生、産業プロジェクトの加藤さん、たけし日本語学校にいらっしゃったお客様・・・。皆さんに本当にいろいろなことを教えていただきました。そしてこれから、このつながりはさらに広がっていきそうな気配です。

そしてもちろん、生徒の皆さんとの出会いが一番です。いろいろな人がいました。苦労したことも困ったことも多くあります。しかし、それら全てが自分の成長の糧となりました。私の約800コマに及ぶ授業に参加してくれた生徒の皆さんに心から感謝したいです。

今後、やりたいことも何となく見えてきました。まだまだ足りないところばかりの自分ですが、ここから、次のステップに進みたいと思います。

藤波大吾

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1年間ありがとうございました。

この1年間、楽しいことも大変なこともありました。ただ「楽しかった」だけではなく、本当にいろいろな経験をさせていただきました。この経験を次に活かしていきたいと思います。

市川あずみ

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