Category: "旅する技術" の記事一覧
おトクな船の旅は他にもある。阪九フェリーは、大阪・泉大津港と北九州・新門司港、神戸港と北九州・新門司港の 2航路を運行している。どちらも夜行便のため、各港の出発は夜、到着は翌朝だ。
瀬戸内の航路のため、高速道路が大きなライバルだ。数年前のガソリン価格の高騰、高速道路の大幅割引などで減便も行われたが、いろいろなサービスを提供して顧客を集めている。
阪九フェリーのおトクなプラン「ヴィーナストラベル」から確認することができる。
関西からだと、マイカーやバイク利用の大幅割引の往復プランや、JRのオレンジカード3,000円分がセットになった 1万円で関西—福岡を往復できるプラン(人のみ)などがある。
九州からだと、ユニバーサルスタジオジャパンのスタジオ・パスがセットになった往復プラン、京都観光ができ、関西の私鉄も利用できる券がついた往復乗船券のセットなどがある。いずれも料金は 1万円前後だ。
以上のような個人プランに限らず、団体ツアーも企画されている。関西、または九州の名所を船中 2泊、もしくは船中 2泊+現地 1泊の旅程で巡るものがほとんどだ。
どのプランも14日前までの予約が必須だが、上手に使えばかなりおトクに旅ができるのだ。また、追加料金で部屋のグレードを上げることができるので、より快適な船旅を演出することもできる。
なお、大阪南港—北九州・新門司港を結ぶ「名門大洋フェリー」も、阪九フェリーのようなタイプの往復割引のプランや団体旅行を企画している。船内の設備、港へのアクセス、好みのプランなどをよく見て、気に入ったものがあれば利用してみよう。
関西—九州間は、新幹線、航空機、バスなど多様な選択肢がある。しかし、値段が比較的安く、居住性の高い乗り物は船だ。とにかく横になるスペースが必ずあり、追加料金で個室を確保することができる。船内に風呂やレストランがあり、ゲームコーナーやカラオケルームも船内にはある。天気が良ければ、星空を眺めることも可能だ。夜行便といえども時間はかかるし、港へのアクセスも便利とは言えないかもしれない。だが、うまく使いこなすことができれば、ほかのどの交通手段よりもおトクで快適に旅することができる。
あたり前の話だが、日本は四方を海に囲まれた島国だ。そのため、昔から船が物流の手段として使われてきた。近年は鉄道、道路、航空機の発達で、旅行で船を使う機会はほとんどないかもしれない。しかし、利用方法によっては、船はかなりおトクに使えるのだ。
商船三井フェリーは、東京 − 北海道間のバスと船をセットにした切符を発売している。東京 − 札幌間は「パシフィック・ストーリー」、東京 − 小樽間は「おたる・ストーリー」、東京 − 旭川間は「あさひかわ・ストーリー」、東京 − 富良野間は「ふらの・ストーリー」という名前になっている(「商船三井フェリー」ホームページ)。
大洗港から苫小牧港は船による移動だが、東京駅から大洗港、苫小牧港から北海道内の都市の移動はバスによるものだ。通常なら船会社、バス会社の切符を個別に買う必要があるのだが、この切符ならすべてセットになっている。
料金も割引されている。期間によって価格の差はあるが、オフシーズンだと片道1万円未満で移動できるのだ。また、船は夜行便のため、寝てる間に移動するので時間の節約もできる。船で寝るわけだから、横になることもできる。さらに、追加料金で船の等級をアップし、より快適な船旅を演出することも可能だ。
北海道に行くならたいていの人は飛行機を思い浮かべるだろうが、とにかく安く行きたい、船旅を楽しみたい場合は、こういう手段もあるのだ。
日本の冬の間に熱帯地域に旅行する際、冬のコートやジャンバーが荷物となることがある。持って行くと、確実に荷物になりかさばる。そのような状況でも、空港施設を賢く使えば、少ない荷物で熱帯地域へ旅立てるのだ。
一番簡単なのは、空港内のコインロッカーを使うのだ。関空でも成田でも1日(24時間)300円から利用できる。2日から4日以内の海外旅行なら、気軽に利用できる。
5日以上の旅行の場合、コインロッカーだと割高になる場合がある。その場合は、空港内の「手荷物一時預かり」を活用しよう。例えば、関西空港の場合、コートは5日間1,200円で預かってくれる。これより長い期間は、割増料金で預かってもらえる。各空港や窓口によって料金が異なる場合があるので、出発空港に問い合わせておくとよい。
空港内には、「宅配サービス」というのがある。これは本来、帰国した人のお土産やスーツケースを送ったり、自宅から主発空港までに荷物を運んでもらうサービスだ。「出発するのは冬だが、帰国するのは暖かくなってから」という場合には、空港までコートを着て、出発前に家に送ってしまえばいい。家に受け取る人がいることが条件になるが、長期滞在でコインロッカーや一時預りサービスで支払う高額な料金と比べると安くつくはずだ。
このような施設を上手に活用して、より快適な旅行を目指そう。
「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」「失礼しました」・・・別にACの宣伝の一部を引用しているのではない。旅先で最低限必要な現地語だ。これくらいの挨拶は、現地語で言えるようになっておこう。通じなくてもかまわない。何か挨拶しようという姿勢が大事だ。
世界中の言語を少し触れるとわかるが、厳密な「こんにちは」はなく「ご機嫌いかがですか」「ご飯は食べましたか」なんていう地域もある。「ごめんなさい」というとありとあらゆる責任をかぶることになる場合があるから、「失礼しました」としておいた方がいい場合もある。
このようなことばの受け取られ方は、本格的に勉強しても難しいが、そういう難しいことは後から知ればいい。要は、現地語の挨拶をマナーとして知っておかないといけないのだ。例えば、お店に入ったときに「いらっしゃい」「こんにちは」と店員に言われ無言で素通りできるのは日本くらいなものだ。たいていの国や地域では、何かしらの挨拶を心がける。ただ、「見てるだけ」であってもだ。無言でいるということは、まず好感が持てない人と言う視点で見られることになる。
英語圏以外では、当然英語がわからない人がいる。だから、現地語で(それも現地の人の発音をきれいに真似て)あいさつすると、すごく喜ばれる。英語だと、人によっては「話せて当然」という態度で接してくるが、英語以外の言語は喜んでくれることが非常に多い。それは、アジアやアフリカの民族語に限らず、ヨーロッパの英語圏以外でもあてはまる。喜んでもらえれば、思わぬサービスだってしてもらえることもあるのだ。
とにかく真似るのだ。上手に真似れば間違いなく通じる!
2011年1月から、チュニジアやエジプトなど、アラブ諸国で大規模なデモが発生している。平時であれば問題は無いが、ひとたびデモが起きてしまうと、そこに暮らしている人々の日常生活まで混乱することもある。
旅行中にデモが起き、それが何日間にも渡って続いてしまうと、早急に帰国、もしくは他の国に出国せざるを得ない。ただ、本当にそのようなことができるのか。
できるのかどうかは、「その時の状況次第」としか言いようがない。ただ、身の安全を確保することを最優先に考えることに関しては、どのようなときでも意識しておくべきである。
身の安全を確保する方法としてまず行うことは、「宿泊施設から出ない」ことである。とにかく、街に出向かないことである。これだけでも、かなりの安全性は確保される。
その次に行うことは、帰国の準備をすることである。まずは、帰国する交通手段(飛行機など)が動いているかどうかの確認だ。ダイヤ通り動いていれば問題は無いが、ダイヤが変更されたりした場合は、航空会社のオフィスと連絡を取ることになる。特に電話やネットがつながらない時は、直接出発する空港に出向く必要があるだろう。
次に大事なのは、空港までの移動手段の確保である。安全な移動手段が確保できるなら問題はない。しかし、それができない場合は、宿の人と相談して、その時の最善の措置を取ろう。可能であれば、数日分の水と食料も確保しておこう。
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旅をするうえで、荷物をどうするかは大きな問題の一つである。ただ、できるだけ少ない、軽い状態にしておくことが望ましい。それはなぜか。答えは簡単で、少なく、軽いほうが、身軽で動きやすく、疲れがたまりにくいからである。ではどうすれば、荷物を少なく軽くできるのか。
コツは、「貴重品、医薬品等、その他自分の業務に必要なものの3種以外は、全て現地で調達する」ようにするのだ。あとはせいぜい、最小限の替えの衣類くらいだ。
1つ目の「貴重品」は、パスポート、現金、TC(トラベラーズチェック)、黄熱病予防接種証明書(イエローカード)、海外旅行保険の保険証書など、紛失すると旅行ができなくなる、あるいは不便をきたすものである。これは現地で調達のしようがないので、減らしようがない。現金も、不測の事態に備えて多めに持っていく方が安心である。
2つ目の「医薬品等」は、薬や絆創膏、生理用品、歯ブラシ、カミソリ、シャンプー類などである。これらは現地で購入することもできないわけではない。しかし、薬を買うには処方箋が必要だったり、言語ができなければ用法・用量がわからない場合がある。場合によっては、かえって体調を悪化することがある。そのため、日本で使い慣れたものを持っていく方がいいのである。また、マラリア流行地域に行く場合は、蚊取り線香を持っていくことも有効である。日本製の方が、現地のものより効き目はよい。さらに、歯ブラシやカミソリも、日本から持っていたっ方がいい。高級ホテルでも置かれておらず、都市においても、自分に合ったものを探すのはやや難しいからである。シャンプーやリンス類も、人によっては日本のものでないと髪を傷めてしまう場合がある。不安な人は、旅行日数分を詰め替えて持っていくのも手である。
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海外旅行、とくにアフリカや一部のアジア諸国に出かけるとなると、お金をどのように持つかが重要な問題となる。
欧米圏では、現金だけでなく、クレジットカード、トラベラーズチェックなど現金以外を持ち歩いても問題がないことが多い。実際に、多くの人がそのようにしている。しかし、アフリカ諸国や一部のアジア諸国では、現金以外で支払うことがほとんど不可能な場合が多い。ベナンでも、一部の銀行でトラベラーズチェックを現金に換えることはできるが、買い物は現金ですることがほとんどである。カードはほとんど使えない。
しかし、数万円、数十万円に値する額を持ち歩くことに関して、不安に思う人もいるだろう。ベナンの旅行情報を何年も提供しているが、この種の事柄に関する質問も何件かあった。
では、実際どうするか。答えは、「多くの額を数か所に分散して持ち歩く」のである。
現金以外の支払い方法がほぼ無い以上、現金で支払うしかない。ただ、日本にいるときのように、一つの財布に全額入れておくというのは・絶・対・に・避けるべきである。その財布を紛失した場合、もしくは盗難された場合、一切の支払いができないからである。このことに関しては、多くのガイドブックでも記載されているとおりである。
では、どのように分散するのか?
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