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旅好きになったきっかけ
私は根っからの旅好きである。放浪癖という病気にかかってるのではないか、と思うときさえある。隙間時間さえあれば旅行のことを考えているし、航空券の値段なんかをウェブサイトでチェックしたりもする。実際に旅に出て移動しているときでさえも、「次はどこに行こうかな。」なんて考えているから、ある意味「旅行中毒」とも言える。
そもそもなぜ私は旅が好きになったのだろうか。両親も比較的旅行が好きで、小さいときには1年に1回は国内の家族旅行をしていた。中学生になれば、祖父が持っていた南海電鉄の「株主優待乗車券」(本人以外も使用可)を借りて、関空を除く南海電鉄全線に乗り放題の特典を生かして、南海電鉄の各終点に出かけたものである。一番遠い高野山や高野線沿線にも何度も行ったものだ。ただ、このときは家族旅行を除いて全て日帰り旅行であった。
地図を見るのも好きだった。小学校のときは地図帳を結構頻繁に見ていたようで、担任の先生に「あなたは本当に地図が好きやねぇ〜」とあきれた表情をしていたのを覚えている。
もしかしたら、こういったことが旅行好きの基礎になっているのかもしれない。ただ、本格的な旅好きになるのは、もう少し後になる。
中学2年が終わる頃、地元の図書館で、中学2年生が2週間ほどJRで北海道を一人旅し、他にも中学1年や小学生のときに、全国各地を一人旅したとい う旅行記を見つけた。中学生という共通点もあり、飽きることなく最後まで読み終えた。この本を読み、「自分より年下の人間がこれだけ日本全国を回っている のだから、自分にできないはずがない」と強く思った記憶がある。
私はすっかり、この本に触発されてしまった。受験勉強の年に、とんでもない誘惑に駆られたな、とそのときは困ったりもした。
ただ、お年玉や貯金の範囲内で、5月の連休にどこか行けないだろうか、受験勉強の影響も少なく、当時通っていた学習塾も休みになる5月の連休なら何とかなるのでは、などと早くも旅行に行く気満々の状態になってしまった。
そんなわけで、初めて日付をまたいで旅行したのは中学3年生の5月の連休の時だった。当時は、新大阪から阪和線、紀勢本線を経由して、和歌山県の新宮まで座 席のみの夜行快速列車が走っていた。これなら親の許可も取りやすく、費用的にも問題ないと思ったからだ。この夜行列車で旅立った0泊2日の旅行が、初めて の本格的な一人旅だった。何から何まで初めての体験。自分一人で旅に出るのも初めて。計画を立てるのも初めて。JRみどりの窓口で往復の切符を買うのも初 めて。夜行列車に乗るのも初めて。それでも、まだ14歳の私には、不安が無いわけではないが、楽しみの方が大きかった。
旅自体は、 大雨で観光どころではなかった。潮岬は強風で折り畳み傘が壊れそうになるし、楽しみにしていた車窓も十分に楽しめたわけではなかった。けれども、自分で時 刻表やガイドブックを使って旅ができたことは大きな自信になった。このときから、「次はどこに行こうかな」というようなことを頻繁に考え始めていたように 思う。どうも旅行中毒にかかったのは、中学3年からのようである。
それはともかく、このとき以降、高校受験が終わったら、日本中を旅したい。そして、やがては海外も旅したい、なんて考えるようになった。これが、私が旅好きになった経緯である。