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NPO法人IFE

旅行道

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10代のうちに旅に出ろ!

以前、私が中学3年の時に初めて一人旅をした話を書いた。ただ、現実問題として、中学生でそのような旅ができるのは、いくらコツコツ貯金していたとしても、ある意味経済的に恵まれている。また、経済的な点をクリアしたとしても、「中学生にそんなことをさせるのはどうか」と考える家庭もいるだろう。そうなると、一人で旅に出ることが難しい。

しかし、高校生になれば、そのような「制約」がゆるむこともある。さらに上級の学校に進学すると、より「制約」は緩むようになるだろう。

私の現在の本職は高校の講師である。当然、毎日高校生と接しているわけである。しかし、あくまで私の個人的な視点だが、旅行に出ようとする生徒は聞いたことがない。クラブ活動で忙しかったり、携帯代がかさむのもあるのだろうが、旅行そのものに興味を持つ生徒が少ないのである。

それでも私は、旅に出ることを勧めたい。

ではなぜ旅に出ることを勧めるのか。

まず第一に、何といっても「見聞が広がるから」である。ツアーではなく特に自分で地図やガイドブック、時刻表などを活用して旅程を組み立てると、自然に地名や都市の位置関係がわかるようになるものなのである。国内旅行であれば日本の地理に当然強くなる。実際に旅に出ず、ガイドブックや地図をくまなく読むだけの「想像旅行」であっても、地名にすごく強くなるのである。

第二に、「その土地の人々の暮らしぶりがわかるから」である。例えば、北海道に行けば、多くの窓が二重窓である。これは、北海道が寒冷地であり、冬でも快適に暮らせるためにこのようにしているのである。本州で生まれ育った人間には珍しい。社会の教科書に掲載されてる情報でもあるが、いざ自分が体験した方が、より印象に残るのものである。

第三に、「歴史に興味を持つようになるから」である。旅行中に、ちょっとした石碑や案内板を見て、その場所で初めて知る歴史に驚くこともある。教科書では掲載されない人が登場する場合もあるだろう。また逆に、歴史上の有名人が訪問地でどんなことをしたのかを知ることもできる。近代の歴史に関しては、お年寄りに話を聞くと、昔の街の様子がどうだったかも教えてくれる。

第四に、「読書好きになるから・ネット好きになるから」である。その土地の歴史に興味を持てば、その地域にさらに知りたいという好奇心が生まれ、読書にふけったりすることもある。図書館などで検索すれば、図書館の使い方も自然と覚えてくるものである。「歴史の本は、分類番号ではこの番号だったな」という経験は、一生使える知識である。インターネットでもさらなる情報を手に入れようとするだろう。その過程で、自分が知りたいものではなかったが、関連する情報に出合うこともある。全てが信用できる情報とは言えないが、十分な知的財産になりうる可能性もある。もちろん、使い方次第では、パソコンの技術力向上にもつながる。

最後に、「経験が自分を高めてくれるから」である。ツアー旅行であっても個人旅行であっても、自分が手配するということは、駅や旅行代理店の窓口、電話、もしくはインターネットで申し込むことになる。そこでの応対の仕方を早いうちに学んでおくことは、なんら損にはならない。特に個人旅行の場合、旅行を手配する経験を何度もしていると、高校受験、大学受験をするときに、あるいは就職時の試験や面接の時に、交通機関の切符を買ったり宿をとったりすることに迷うことは無いのである。「受験の時に列車に迷って、試験会場に遅れた。」という話はよく聞く話だ。また、「自分で新幹線の切符を買えない大学生」も案外いるものである。緊張するであろうときに、「無事に切符が買えるかな。」「自分の乗りたい列車に乗れるかな。」などといった心配事を一つ減らせるのは大きなメリットなのである。

もし10代に宿も交通も全て自分で計画を立て、その旅行を完了しさせたとする。きっとそれは、自分に自信がつくだろう。遠くに目的地を設定すれば、「自分はここまでこれた」という気持を抱く。そして、10代の頃であれば、非常に大きな自信になるのである。国内のそう遠くない場所でもかまわない。1泊2日でもかまわない。旅に出る楽しさ、そして、旅から得られる様々な利点を、ぜひ10代のうちから味わってほしい。

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