旅立つ前に

予防接種について

ベナンを含む多くのアフリカ諸国では、熱帯病などの感染症にかかる可能性がある。日本で予防接種を受けていれば、発症しなかったり、あるいは発症をおさえたりすることができる。特に長期滞在する場合は、積極的に予防接種しておいたほうがよい。予防接種には費用がかかるが、命を守るための保険と思って、必要に応じて必ず接種するように。なお、予防接種は検疫所や一部の病院で行っている。

おもな感染症

黄熱病

黄熱病とは、蚊によって感染するウィルス性の病気で、倦怠感や悪寒、高熱が続き、死亡することもある。ただし、予防接種を受けていれば発症することはない。

ベナンを含む多くのアフリカ諸国では、旅行者に対して黄熱病の予防接種、ならびにイエローカード（黄熱病予防接種証明書）の提示を義務づけている。また、黄熱病の汚染地域から経由して来た際、乗り換えの空港の国でも、イエローカードの提示を要求する国がある。出国前に確認し、最寄りの検疫所などで予防接種を受けること。

• 黄熱病の予防接種は1回の接種。
• 接種後、10日後から10年間有効。
• 料金は、証明書料込みで8,530円。収入印紙での支払い。
• この接種を受けると、その後1ヶ月間、他の予防接種を受けられなくなる。
• 予防接種は、指定機関で予約制で行っている。最寄りの検疫所や日本免疫衛生協会などで接種すること。一部の病院でも予約制で受け付けている。

破傷風

主に傷口についた土などから破傷風菌が体内に入り、この破傷風菌が出す毒素により神経や筋肉を麻痺させてしまう。治療が遅れると死に至ることもある。
破傷風の予防接種は、約1ヶ月間隔で2回、その後6～12ヶ月後に3回目を接種する。最終接種から約10年間は免疫がある。出発まで時間のない場合、2回の接種でも短期的な効果は期待できる。外傷を受けやすい職業に従事している場合、あるいはそのような業務でベナンやアフリカにいく場合、4～5年間隔で接種することが推奨される。

狂犬病

日本、台湾、イギリス、オーストラリア、アイスランド等の島国を除き、ほぼ全世界で狂犬病が発生している。狂犬病ウィルスを保有している動物に咬まれたり引っ掻かれたりすることで感染する。発病した場合、ほぼ100％死亡する。発病すると、風邪のような症状が起こり、その後、強い不安感、幻覚、などを示し、最終的には呼吸困難で死亡する。万が一狂犬病の疑いがある動物に咬まれたり引っ掻かれたりした場合、傷口を石鹸ときれいな水でよく洗い流し、すぐに狂犬病ワクチンを医療機関で接種すること。これは、日本で予防接種を済ませた場合でも同様である。

狂犬病の予防接種は、約1ヶ月間隔で2回、その後6～12ヶ月後に3回目を接種する。4回目以降は、6～12ヶ月ごとに1回の接種が望ましい。接種から1年以上経過した場合は、医師と相談すること。

A型肝炎

A型肝炎ウィルスの経口感染で発症する病気である。食べ物や飲み物からも感染する可能性がある。発症した場合、高熱、倦怠感、下痢などの症状が出るほか、まれに劇症肝炎、急性腎不全を引き起こすこともある。

A型肝炎の予防接種は、2週間～1ヶ月間隔で2回接種すると、6～12ヶ月間効果が期待できる。1年以内に3回目を接種すると、3～5年さらに効果が持続する。

B型肝炎

B型肝炎ウィルスの感染で起こる病気だが、A型肝炎のように経口感染ではなく、性行為、注射器の使いまわし、刺青などによって感染する。感染すると、関節痛、吐き気、倦怠感等のほか、急性肝炎の症状が見られるようになる。

B型肝炎の予防接種は、2週間～1ヶ月間隔で2回接種すると、6～12ヶ月間効果が期待できる。1年以内に3回目を接種すると、3～5年さらに効果が持続する。

髄膜炎

ベナン北部を含む、主に南サハラ地域で流行している。発症すると、頭痛、高熱、嘔吐、痙攣、意識障害などが見られる。死亡率も高い。特に12月～6月の乾季は要注意。流行地域（ベナン北部など）に長期滞在する場合は接種すること。

髄膜炎の予防接種は、1回接種で3年間有効である。なお、髄膜炎はフランス語でméningite（メナンジット）、英語でmeningitis（メニンジャイティス）と言う。

※各予防接種の接種方法、日時、費用などの詳細については、最寄りの検疫所、日本検疫衛生協会、または病院などへ。

検疫所および予防接種接種機関情報（2009年6月現在）