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NPO法人IFE

日本語教師の窓

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お便り 117 - 4月前半

笠井先生 編

2012年4月9日(月)ベナンの病院

今日は私の担当する授業が無かったので、病院へ行ってきました。首や足、手などに発疹が出てしまったので、それを見てもらうためです。私にとっては初のベナン病院訪問です。

せっかく?なので、今日は私が見たベナンの病院事情を書いてみたいと思います。転んでも、もとい発疹になってもただでは起きません。

さて、私が訪れたのはコトヌーの中心にある私立病院です。規模は中程度の総合病院で、受診料は10,000CFA(約2,000円)です。平均月収が30,000CFAのコトヌーにあって、これはかなり高いと言えます。安い病院では受診料は2,000CFA程度と聞きましたが、どちらにせよ病院は気軽にかかる所では無さそうです。時々マラリアになった学生に『病院に行きましたか?』と尋ねても、しばしば『いいえ』という返事が返ってくるのは、受診料の高さに原因がありそうです。

病院に入って、まずは受付に向かいます。受付には看護士らしき人がガラス越しに座っていて、駅の窓口のようにガラスの下にはお金や書類をやり取りする隙間があります。ここで症状を話し、どの科の医者に見てもらうかを決め、名前を告げます。そしてこのときに受診料を払ってしまいます。ベナンの病院は前払いなのでしょうか。いきなり支払いを要求されたので、私は少し面食らってしまいました。もしかしたら食い逃げならぬ受診逃げが以前あったのかもしれません。

ちなみにこのやり取りは全てフランス語と現地語のフォン語です。私は秘書のダベデさんに付いて来てもらったので問題はありませんでしたが、英語はあまり通じないようです。フランス語がわからない旅行者の方が病院へ行く場合は、会話集などを持参されたほうがいいかもしれません。または日本大使館の医務官に相談されるのもいいかと思います。

あとは待合室で名前が呼ばれるのを待ちます。そこはソファが並べてある空間で、ファンが回って風通しのいい快適な空間でした。外国人は私だけだったので、周りの視線を感じながら30分ほど待ちました。受診料が高いにも関わらず、待合室は人で一杯でした。子供連れの家族が多かったので、この病院は小児科に定評があるのかもしれません。

やがて白衣の男の人がやってきて。私の名前を呼びました。医者が直接患者を呼びに来るシステムのようです。そして医者は自分の診察室へと私達を案内していきます。部屋は診察室というより大学の教授の部屋のようでした。事務机を挟んで、医者と私達は向かい合いました。

この部屋で患者は診察を受け、処方箋を書いてもらうことになります。ベナンの病院は完全な医薬分業制らしく、病院では薬を出しません。処方箋を持って、コトヌーの薬局で薬を購入します。実は大変なのは薬を探すことなのです。私とダベデさんは薬を求めて、5件もの薬局を回ることになりました。そして結局処方箋の中の一つの薬だけは見つかりませんでした。そして薬がまた高いのです。処方箋の薬を揃えようとすると、すぐに10000cfaを超えてしまいます。薬はほとんどが輸入されたものだそうで、どうしても値段が高くなってしまうようです。

私は今回コトヌーにあるかなり恵まれた環境の病院を受診しましたが、農村部には病院はおろか、医者がいない村もあると聞いています。また病院はあっても、設備が不十分であったり、不衛生であったりと、様々な問題を抱えているようです。医療を受ける立場としてベナンの病院を訪れて、またベナンの新たな一面を見たような気がします。ベナンの医療の問題を、たけし日本語学校の卒業生達が解決してくれることを願っています。

笠井

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